不可能はない
GⅠオールスター5日目に嬉しいGⅠ初勝利を挙げた。
埼玉の森田優弥のまくりにしっかり付いていき、ゴール寸前で森田を捕らえた。
GⅠ8走目にしてトップでゴールを通過した。
しかし、初勝利の喜びより一線級との力の差を痛烈に感じた。
「展開が向いただけです。勿論、1着は嬉しいですが、勝ち上がりでもなかったし。やはり勝ち上がりの段階でGⅠ初勝利を決めたかったですね」と冷静に振り返った。
一線級との差は何か?
「初日も菊池(岳)君の後ろだったんですが、ずっと外並走で。結果的に離れる形になってしまった。やはり瞬発力ですね。あそこを凌げるようにならないとダメですね」。
そしてもう一つ肌で感じたのはゴール前での伸びだそうだ。
「自分でも伸びている実感があるのに、さらに外を伸びられている。FⅠだったらこの伸びで十分でも、GⅠは全然違う。自分はやれると思っているのに、現実はそうではなかった」としみじみと語った。
「最近の競輪は赤板からレースが動くというか、掛かりっぱなしが主流になっている。だから筋持久力のアップを強化するためにウエートトレーニングを始めました」
と弱点克服に懸命な努力をしている。
バンク練習では低速からのダッシュにも力を入れている。
努力すれば必ず一線級との差を詰められると思っているからだ。
「不可能はない。努力すれば必ず報われる」と信じて練習に取り組んでいる。
6月の高松宮記念杯はデビュー後初のGⅠ出場を果たした。そして2度目のGⅠ・オールターを経験した。
「周りの強さをまざまざと感じました。自分ではできると思っているのにそれができないもどかしさがあります。GⅢとも全然違いました。でも、自分に足りないこともわかったし、一歩一歩、焦らずに頑張っていきます」。
GⅠではないが9月にはGⅡ共同通信社杯に出走する。GⅡといえども、メンバーはGⅠと変わらない。オールスターで得た教訓を生かして、高みを目指す。