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直送!競輪場便りfrom伊東温泉競輪場 羽石国臣(栃木93期)
インタビュー 2023.06.28

直送!競輪場便りfrom伊東温泉競輪場 羽石国臣(栃木93期)

#競輪場便り

逆 襲

3連単37万3200円。チャレンジの一般戦、それも6車立てでの配当には驚いた。伊東競輪2日目の6月6日第2R。大波乱の立役者は競走得点64点台の羽石国臣(48歳・栃木93期)だ。

レースは中野真吾後位でイン細沼健治と竹元太志の並走。細沼の後ろは天沼雅貴、竹元の後ろが南和夫。羽石は最後尾で様子を見ていた。中野はペースを上げず超スローペースで周回が進んだ。最終B、羽石が痺れを切らしたまくりで押し切った。中野が慌てて追うが2着。3着は細沼だった。掲示板に配当が表示されるとファンはどよめいた。

 してやったりの羽石は「ホームでもペースが上がらず行くつもりでいた。結果的にバックからになったが、あの展開ならいけるでしょう」と会心の勝利に笑みがこぼれた。この1着は「2年ぶりくらいじゃないかな」という程、1着は本人の記憶にもなかった。

 羽石と言えばスピードスケートで2002年のソルトレークシティー五輪出場のキャリアを持つ。その羽石が昨年4月、頸椎狭窄症で休養を余儀なくされた。「落車とかではなく、疲労の蓄積でなったみたいです」。8月に手術を行い復帰したのは今年1月のいわき平から。しかし5場所目の立川で落車し今度は左の肋骨を3本骨折した。「ついてないというか、これからだと思った矢先のことなので」と悔しがった。

 現在も両足は痺れているようだ。「徐々に良くはなってきていますが、2、3年は痺れがあるみたいです。体重も82キロあったのが一時期は72キロに減りました。今はだいぶ戻ってきていますが」と状態を説明してくれた。筋肉も落ち全く違う、生まれ変わった自分がいると言う。

「セッティングも今まで以上に真剣に考えるようになりました。今の身体に合うようにしないといけませんから」。

練習は街道7、バンク3の割合で行っている。落ちた筋肉を戻すために食事の量を増やし、サプリメントも飲むようにした。

「まだまだこれからです。練習もしっかりできるようになったし、競走得点をドンドン上げていきますから」と笑った。ここから羽石の逆襲が始まる。

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