ひとつのレースが浮上のきっかけに
昨年7月に本格デビューした121回生では、すでに15人が戦いの舞台を1、2班戦へと移している。昼田は10月小倉がデビュー初優勝と他の同期に比べて時間がかかった。それでも小倉の3連勝を皮切りに、続く11月武雄でも3連勝。特別昇班はならなかったが、12月向日町でも112着と着実に力を付けている。
「不思議ですね。ここまで成績が上がったのは。原因もよくわからないんです。練習も特に変えていないし、むしろ休みを多くしたぐらい。小倉で初優勝する前までは気持ちもいっぱいいっぱいだった。少し体を休めたら気持ちが楽になった」
初優勝した小倉から6場所連続で確定板を外していない。もちろん初優勝がきっかけになったことは間違いないが、むしろ好調の引き金になったのは準決勝の走りにあったと昼田は話す。「今思えば小倉の準決勝はきっかけになった。猪野泰介さんに残り600メートル手前で来られても、なんともなかった。あそこから落ち着いて行けているなと思う」。8月小倉の準決勝でも同じようなシーンがあった。赤板過ぎに先行態勢に入っていた昼田だったが、この時は打鐘4角からカマしてきた河崎正晴に叩かれて内に詰まってしまった。10月は8月より半周ほど踏む距離が長くなったにもかかわらず猪野を出させずに押し切り。長所である地足を生かす術を覚えた。
今年初戦の小松島準決勝でも昼田の成長が見えた。「ノープランだった」と話し後ろ攻めになっても落ち着いた仕掛けで小林健と岡山ワンツーを決めた。
「じっくり上がるつもり。優勝は意識するけど、特別昇班は特に考えていない」
これからも内容のあるレースをコツコツと積み上げていくだけ。その先に大きな飛躍が待っている。