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直送!競輪場便りfrom 豊橋競輪場 小嶋敬二(石川)74期 
インタビュー 2022.11.09

直送!競輪場便りfrom 豊橋競輪場 小嶋敬二(石川)74期 

#競輪場便り

53歳

 1994年8月にデビューしてから28年間で積み上げた勝利数はまもなく799。そのほとんどがS級、しかも自力でのものだけに価値がある。しかも現役で800勝を達成しているのは神山雄一郎だけ。大台達成なら現役2人目という快挙になる。

 しかし、なかなか勝てずに苦しんでいる。7月の名古屋FⅠの最終日に勝ってから6場所続けて0勝。向日町記念の最終日は5車立ての1Rで、しかも先行型の番手戦という絶好の構成ながら3着までだった。「名古屋で勝った時には、次の地元の富山記念で区切りの勝利を決められると思っていた。それが無理になったときでも、もっと簡単にいくと考えていた。構えすぎてしまったね。本来なら楽勝のはずなのに。あれで勝てないとは正直、ショック」と振り返る。

 長く勝てずにいるタイミングで耳に入ってきたのが村上義弘引退ニュースだった。しのぎを削ってきたライバル。自力選手にこだわり、その看板を降ろさなかったのは共通だ。「腰が痛いのは知っていたし、痛いままで無理するのは駄目。彼からは小嶋さんだけは辞めないでくれと言われた。これで、俺は辞められなくなっちゃった。向日町記念の一次予選あたりを2人で走りたかったなあ」と寂しそうに笑った。

 バンクを去った魂の男からのエールは少なからず励みにはなっている。10月の豊橋FⅠの最終日(一般)は「先行基本」のコメント通り打鐘過ぎから先行でもがき合い、ゴール前勝負に持ち込んだ。やはり番手戦より自力勝負が似合う。「3角でいっぱい。でもこうやって魅せるレースもしたいからね」と流れ落ちる大粒の汗を気持ちよさそうにぬぐった。

 「これまでとはアプローチを変えます。食事などGレースを勝つためにしていた調整と同じようにしないと駄目なのかも。そろそろ真剣に頑張るよ」。11月9日に53歳となる。(豊橋競輪場にて)

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