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直送!競輪場便りfrom松山競輪場 真鍋智寛(愛媛121期)
インタビュー 2022.10.05

直送!競輪場便りfrom松山競輪場 真鍋智寛(愛媛121期)

#競輪場便り

希望とともに次のステージへ

 才能あふれるニュースター候補が、また1人、四国に現れた。真鍋は日本競輪選手養成所を在所3位で卒業、第2回記録会ではゴールデンキャップも獲得。松山聖陵高では都道府県対抗・少年ケイリンを連覇し、鹿屋体育大学に進んでからもケイリン、スプリント、チームスプリントで活躍した実績があるのだから、養成所ではこれくらいやって当たり前なのだろう。ところが「養成所の練習はキツかった。やめたいと思うくらい」と、意外にネガティブな言葉が出てくるから面白い。

 数々の競輪選手を輩出している鹿屋体大。名門の自転車部には全国からエリートが集結する。同学年には、同じ121期でデビューした岸田剛(福井)もいた。そんな環境で切磋琢磨すれば、将来はプロに…と考えるのは自然な流れだろう。だが真鍋はひと味違う。ここでもネガティブ発言が。「大学3年までは、自転車をやめて普通に就職しようと思っていました。自転車はしんどいですから(笑)。大学時代は岸田君がいてくれて、自分も伸びた。仲はいいけど、今はライバルですね。負けたくない」。結局、周囲と相談して養成所を受験する運びとなり、一発合格。今につながる道が開けた。

 9月29日に初日を迎えた松山ナイターF2。真鍋にとって、特別昇班がかかる大事な一番となった。7月の本格デビュー後は無傷で勝ち進んだが、3場所目の奈良決勝で同期の常次勇人(大阪)に阻まれ、一度特昇を逃している。その奈良はチャレンジ決勝ならではの壮絶なモガキ合い。将来上位で活躍するであろうホープ同士の意地の張り合いは、実に見応えがあった。「奈良では常次君にやられて本当に悔しかったけど、あの時の常次君は本当に強かった。(常次の)番手の原田翔真(和歌山)君のとこに下りたらとも言われたが、まだ横を覚えるのは早いので」。そこから仕切り直し、岐阜の「ルーキーシリーズプラス」2着を挟んで2度目の地元戦。「前回の西武園から日も空いて、練習はできた。練習でもハロン10秒7とか出るようになった。トップスピードが上がっていますね。長い距離も粘れるようになった。1回(8連勝で)止まった時よりは強くなっている。今回は油断せず、狙っていきたい」と、自信を見せた。

 予選、準決勝は難なくクリア。準決勝は自身の後位が競りになったが、倉松涼(高知)が番手を守り切ったのを確認してからピッチを上げる余裕の運び。「準決勝まではラインで決めることを主眼に戦っています。脚質はダッシュなので、上げ切って、回して逃げ切るのが今の戦法ですね。決勝は後ろを気にせず、全開でいきます」。決勝は同じく連勝で勝ち上がった橋本陸(福岡)、昼田達哉(岡山)との同期対決。前受けから橋本ラインを最終ホームで出す。昼田を牽制しながら踏んで3番手を確保すると、2コーナー過ぎにダッシュ爆発。あっという間に前の2人をのみ込み、最後は後続を完全に引き離す圧勝で、見事に特昇を決めた。

 新たなステージでの戦いが待つ真鍋に、目標を聞いた。「高校の先輩でもある松本貴治(愛媛)さんみたいに、先行でもまくりでも強い選手になりたい」。今の力をもってすれば、S級まではすんなり駆け上がっていくだろう。いずれ、プロの厳しさにぶち当たる日が必ず来る。だがもう「やめたい」とは言うまい。それを乗り越えた先に、スター街道がまた開けてくるのだから。

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