師匠、兄弟子の背中を見てノビノビと育つ
幼い頃から実戦空手で幾度の大きな大会に出場し活躍していた田村は、昨年7月に119期として本デビューした。チャレンジ戦では約1年もの間、しっかりと脚作りと土台固めをして、今年6月の松山で3場所連続の完全Vで9連勝を達成し1・2班へと昇班した。
今期は初日にラインを連れ込む走りで安定した戦績を収めているが、準決になると1着か7着と極端な成績で苦戦が続いている。「自分でも体の状態が良い時と悪い時のムラがあるなとは思っているんです。アマチュア時代から体を動かした時にタイム測定をしたらいいタイムが出て。試験の時も山を登ってからタイムを計ったり、練習も1本目より2本目が良かったりと」
自身の経験則に則ってみたものの、なかなか成績が安定しない。そこで師匠(四元慎也)らのアドバイスも取り入れて、オーバーワークで現地に入る事を減らした。「前検から最終日までの過ごし方とかですよね。レースを重ねるごとに段々と配分できるようになってきたんです」。
攻めるレースを心掛け今期は88点台をキープしており、S級点も目指せる位置にいる。だが「まだ安定した成績ではないし、今期は地道にやっていって来期ぐらいにS級点を目指します。それに早く上がっても自分の脚じゃ通用しないと思うし」と急いではいない。
普段は師匠や同門の久島尚樹らと練習をしている。ただでさえ選手層の薄い宮崎で、身近に久島というS級選手がいる事は大きな励みとなり、目指すところとなる。「久島さんはカマシのスピードこそ一緒ぐらいですけど、スピードが上がった状態からは違う。まったく歯が立たないです。何度も踏めるし。あれがS級の地脚なんだといつも思わされます。将来的にはS級では先行で勝負がしたい。僕のスピードではまくりはきついと思うので」と目標は明確だ。さらにもうひとつ、身近な目標を設定している。「師匠と一緒のレースを走った事が無いんです。今年中にでも一緒に走って前で頑張りたい!」。こちらの夢は斡旋次第だがそこまで苦労せずに叶いそうだ。