2025年に入り、優勝2回、勝率75%、連対率91.6%と好成績を続ける太田りゆ選手。昨年のパリオリンピックを最後にナショナルチームを引退し、ガールズケイリンのレース一本に絞ってリスタートしました。今まで培ってきた脚力、トレーニング、レース勘、気持ちの強さがガールズレースに生き大活躍中ですね。目標のGI優勝、ガールズグランプリ優勝に向け、トップをひた走る太田選手の快走に注目です!
オリンピックに出たことを何かに繋げなきゃ意味がないと思って頑張っています!
-競輪一本に絞ってからはいかがですか?
「9月末から走っているので約5か月になりますが、オリンピック前の1か月に1本走っていた時よりも確実に力がついていて、(ガールズケイリンに)戻ってくる時には一回りも二回りも大きくなってもどってきますということを言っていたと思いますが、それは実現できているかなと思います。それと競輪選手は大変だなって思っています(笑)」
-どんなところがですか?
「今までは決められたスケジュールを決められたようにやっていて、そのようにせざるをえなかったというか、ある意味、守られていて、忙しくはなかったんですよ。それは競技へのコンディションを整えるために忙しくしてはならなかった。けど、今は毎日、毎日違うことを行わなければいけないし、色んなところに行かなきゃいけないし、自分でスケジュールを全て管理しなきゃいけないし、充実しているし楽しいですけど、めっちゃ大変です(笑)」
-成績を見ると殆ど1着、2着で連絡みですね。
「そうですね、でも、松山で包まれて動けなくて5着ってやりましたけどね(苦笑)。競輪に絶対はないですし、自分が勝って当たり前とは思っていないので、皆さんが思っているよりも自分はずっと勝ち続けてきた選手ではないので(勝てなくても)精神的なダメージは大きくはないです」
-見ていて、以前よりも戦法の幅が出たように見えます。
「ガールズの自転車に乗り出してから、距離をもがける練習を増やしているんです。あとはギアに対する適応力も身に着けているので。捲りが主体にはなっていますが、先行してもいいと思って走っています。あまり逃げる展開にならないだけで、打鐘がなったらいつでも行けるように臨めているからこそ色んな戦法が増えてきているし、自力にこだわりを持っているわけではないので。
競技の時は自在にやっていたし、それでもいいと思っているので、もっともっと柔軟性をつけていきたいと思っています」
-競技の方は勝ち上がり方もガールズとは違うし?
「勝ち上がりもだし、脚力差を考えたら、競技でそんなことをする勇気はあったかな…(苦笑)。でも、後半はけっこう動いていたように思います」
-だからよかったのかなと思います。オリンピックもだけど。
「はい、オリンピックは仕掛けて、仕掛けてでしたね。仕掛け癖はありますね。何もしないで終わるというのはないということは自分に対して安心感はあります。でも、結果的に何もしないことが正解の時もあるから、そこの判断は見極められるようになりたいですね」
-進化した太田選手が今見られていますね。
「やることを1つ達成したという、オリンピックでやるべきことをやったということで人としてすごく成長できたと思います。
勝ち負けはこだわるけど、こだわり方が違うというか、どういえばいいのか難しいですけど、負け方にもよるというか、やっていることが明確かそうじゃなくて負けたのか、レース内容をふまえて自分がどうだったかが重要だなと思います。何していたんだよ私という負け方はほぼしていないので。昔はうまくいくことが一握りという感じだったけど、今はその逆の割合になっているかなと思います」
-それが結果につながっているわけですね。
「そうですね。
あとは自分を大事にしたいので負けたくないんですよ。今までやってきたことやプライドを守りたいので、負けたくないから頑張るって思います。私がオリンピックにでていることとかを軽視する人も中にはいるわけで、それは絶対に許せないので! そうなって欲しくないからそのためには自分の行動や結果で示すしかないと思って頑張れているところもあります」
-オリンピックはチャレンジし続けたかいがある舞台でしたか?
「はい! あれでメダルが獲れたり、決勝に乗れていればもっとよかったですけど、辞めた時も後悔していないですし、あとはオリンピックに出たということを何かに繋げなきゃ意味がないと思っているので」
-今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか?
「私が今やりたいことはガールズケイリンの地位名誉の向上です。あと自転車競技の普及と発展。普通の子たちにも私みたいになれるということを伝えるとか、恵まれた家庭に育ったわけではないのでそれをどうするか教えてあげることが私にできることかなと。それを含めて自分が幸せになることが完璧なんですけど。一番はガールズケイリンの地位向上ですね。まだまだギャンブルというマイナスイメージがあると思うけど、賞金の一部は社会貢献に使われていることをもっと前面に出したいし、(石井)寛子さんがグランプリの優勝賞金を300万円寄付したことももっともっと報道するべきだと思うし、そういうのをもっともっと出せるようにしたいなと思っています」
-やりたいことをやる。そのためにも?
「だからこそ弱くならないように気を付けています。あのナショナルチームの環境から離れると、ボディメンテとかもだらしなくならないように気を使っています。今は意図的にオリンピックの時よりもこちらに適応できるように縮めています。あんなにパワーに頼るような回し方はこちらのギアは回せないので、ハイケイデンスになるようにちょっと筋肉を落として、でも、筋トレもちょっと変えて、体脂肪はオリンピックの時よりもないくらいです。長年、栄養士さんと一緒にやってきて基礎知識を教えてもらってきたし、トレーニングもHPCJCで教えてもらってできることが自分の基礎にあるので、やっていけるかなと思います」
-ファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
「色んな活動をしていますが、私を応援してくれている人たちはすべての行動を応援してくれているので、私が応えらえることはレースで結果を出すことだと思っているので、そのためにも頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします」