5月26日に青森競輪場で『第72回全日本プロ選手権自転車競技大会』が開催されました。選手たちは強風に苦しめられましたが、そんな中でもしっかりタイムを出した選手が優勝を決めました。
■ケイリン
ケイリンは予選、1/2決勝、決勝という勝ち上がり方式で、 1/2決勝3個レースは3着3人からくじ引きで1人が勝ち上がります。
決勝戦は、山口拳矢、吉田拓矢、川口聖二、金子幸央、松本貴治、岩津裕介、古性優作が進出。レースは松本、金子、山口、岩津、吉田、古性、川口で周回。残り2周から古性がまず動くが、打鐘から松本が先行。最終バック前から山口も仕掛けるが、その上を吉田が捲っていきました。押し切って吉田が1着。2着は吉田追走の岩津。3着に松本が粘りました。
優勝・吉田拓矢(茨城)
「決勝は行けるところから一発狙って行こうと思ってました。捲りのその上を行ったのできつかったですけど、なんとか決まってよかったです。理事長杯スタートは大きいですし、気を引き締めて、また頑張ります!」
2位・岩津裕介(岡山)
「優勝したかったですね。チャンスは目の前にあったけど、さすが、ダービー王は強かったです」
3位・松本貴治(愛媛)
「どこかで思い切った仕掛けができたらなと思っていたので、仕掛けていきました。いい感じで逃げられたので優勝したかったけど、周りが強かったですね」
■スプリント
予選の200mフライングタイムトライアルは河端朋之が10秒157で一番時計。朝一の予選にはじまり、1/4決勝、1/2決勝、決勝という勝ち上がりになります。
3年連続決勝戦は河端と雨谷一樹の対戦になり、2本を雨谷が先取し、2年振りの優勝を決めました。
3-4位決定戦は佐々木悠葵を根田空史がくだし、3位になりました。
優勝・雨谷一樹(栃木)
「2年ぶりの優勝なんで嬉しいです! 予選の前にタイヤがパンクしていて、ちょっと気持ちがソワソワしてしまって予選は集中しきれなかったんですけども、対戦の方は冷静に走れたのでよかったです。対戦では風も利用して、相手に風を受けさせるように考えて走れました。昨年は準優勝で、優勝すれば(理事長杯で)眞杉匠と一緒に走れるチャンスもあると思って1年間練習してきました。ダービーでの落車はちょっと痛いなと思ったけど、こうして優勝できてよかったです」
2位・河端朋之(岡山)
「ダッシュ勝負になるときついんで、雨谷が強かったですね」
3位・根田空史(千葉)
「記念競輪の方があまり調子よくなくて、どうなることかと思ったんですけど、思っていたよりも競技の方が走れてよかったです。親王牌も特選スタートは大きいので頑張りたいですね」
■1kmタイムトライアル
昨年のリベンジを果たし、新田祐大が優勝を決めました。
優勝の新田祐大、タイム1分3秒384
2位の菊池岳仁、タイム1分3秒687
3位の村田祐樹、タイム1分5秒093
優勝・新田祐大(福島)
「爆風できつかったですね! 昨日も今日の朝も雨でバンク練習ができなかったんですが、直前の昼の練習時間にやっとバンクに乗れました。その時に風がすごいのとバンクが軽くないなと思って、普通はやらないけど、直前でセッティングを変えて挑みました。昨年、一昨年の反省を生かし、機材のトラブルや身体に故障がないようにつとめました。あとは前走者のラップタイムを見ながら戦略を決めましたね。平原(康多)さんの引退は動揺したんですが、そういう偉大な先輩の背中を追ってこられたからこそ頑張れました。僕は競輪とオリンピックで頂点を目指していて、平原さんは応援してくれて、競輪ではライバルと認めてもらえたことが自分の自信につながり、責任をもってレースに臨めました。偉大な背中に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
1kmTTの最年長優勝だと思うんですよ(笑)。僕が知る限り、今までの最年長は神山(雄一郎)さんだったと記憶しているので、その記録を絶対に超えたいと思って、菊池に負けないと思って走りました。なかなか36歳で1kmTTってやりたがる選手は少ないと思うけど、そういう偉大な先輩がいたから挑もうと思えました。まだ復帰まで期間ありますが、しっかり練習して頑張ります」
2位・菊池岳仁(長野)
「まだまだってことです。競輪通りの結果になったってことですね。来年も出られるように頑張ります」
3位・村田祐樹(富山)
「スタートで色々あって、風でコーナーのバランスを崩して、全体的に集中できていませんでした。悔しさは残りますが…ちょっとしたトラブルで勝てないようじゃダメですね。何にでもイレギュラーはあるし、それで集中し直すことの大事さを学びました」
■チームスプリント
昨年までと比べるとメンバーが一新したチームが多かった印象があります。優勝した近畿・福井チームは2走の寺崎浩平があえて車間をあけて、3走の岸田剛に脚をためる作戦で臨み、しっかりタイムを出しました。
優勝は近畿・福井チーム、タイム1分15秒403
2位は南関・神奈川チーム(和田真久留、塩島嵩一朗、松井宏佑)タイム1分15秒753
3位は関東・甲信越チーム(末木浩二、中島詩音、菊池岳仁)タイム1分15秒785
優勝 近畿・福井チーム
1走:内山慧大
「後ろに迷惑をかけないように、目いっぱい全力で行きました。日にちが合うときは一緒に練習してきて、優勝できて嬉しいです。親王牌に出られるので、恥ずかしくないようにしっかり練習して頑張りたいと思います」
2走:寺崎浩平
「1走と車間をあけたのは3走に脚を温存させる作戦で、練習でいいタイムが出ていたので、本番もそれで走りました。風もあり、車間をあけた時に思ったよりも脚を消耗してきつかったんですけど、その分、3走が温存してくれていたみたいで、ギリギリですけど勝ててよかったです。優勝は嬉しいですね! これで岸田君も親王牌を走れるのでよかったし、しっかり頑張りたいですね」
3走:岸田剛
「最後はきつかったんですけど、寺崎さんのおかげで脚をためることができたので、よかったです。親王牌も出場権を得られたので頑張りたいですね。まだ時間があるので、それまでにしっかり練習を頑張りたいと思います」
■4km個人パーシュート
アジアチャンピオンの窪木一茂が登場し、2連覇していた近谷涼を逆転で、優勝を決めました。
優勝の窪木一茂、タイム4分40秒146
2位の近谷涼、タイム4分44秒907
3位の貝原涼太、タイム4分47秒292
優勝・窪木一茂(福島)
「疲れはたまっていたので勝てるのか不安でした。(競技で)外を走ることはなかなかないし、風もあってきついコンディションでしたが、バイクの力も借りて、あと北日本の利もあって、勝てたかなと思います。前半は楽に走ろうと思っていたら負けていたので踏み込みました。近谷選手も強いですし、簡単には勝てないと思っていたので、優勝できてよかったです」
2位・近谷涼(富山)
「全プロ3回目でしたが、一番観客も多くてワクワクしました。窪木さんとは大学、チーム、ナショナルとずっと同じチームだったので、ちょっと懐かしい感じもしたし、今も世界で戦っているので胸を借りるつもりで走りました。3回目の全プロでやっと親王牌に出場できるので、まだ力は足らないですけど、しっかり練習して挑みたいと思います」
3位・貝原涼太(栃木)
「最近は調子もよくなかったので不安でしたが、3位に入れたのでよかったです。もっとパワーをつけて、また頑張りたいと思います」
■4kmチームパーシュート
ナショナルチームの窪木一茂が7周先頭を引いて、北日本・福島チームが優勝を決めました。
優勝の北日本・福島チーム、タイム4分25秒512
2位の南関・神奈川チーム(小原太樹、堀内俊介、佐々木龍、佐々木眞也)、タイム4分27秒470
3位の九州・福岡チーム(角令央奈、原井博斗、上野恭哉、橋本陸)、タイム4分28秒261
優勝 北日本・福島チーム
窪木一茂
「以前から先輩たちと走りたいと思っていたので、この機会に一緒に走れて感謝しています。すごく緊張していたんですけども、優勝できてよかったです。でも、2位と3秒差で他の地区も強かったので、本当に勝ててよかったです。練習して、また皆で走れるように頑張りたいです」
佐々木雄一
「窪木のおかげです。優勝できてよかったですね。けど、2日間、競輪を走った後でこれはきついですね。もう若くないです(笑)」
須永優太
「一緒に走れて、優勝できて嬉しいです。窪木が一番脚力あるんで、そこにどれだけ僕らが喰らいついていくかでした。地区プロでも一回走っているので、それを参考にしながら並び順を変えて、上手く走れたかなと思います」
渡辺正光
「なんとか離れずについていけてよかったです。2走目は難しくて、僕も地区プロで離れて迷惑をかけたので、佐々木さんがきつかったのもわかるし、それもあって、自分が離れないように、ってリカバリーできたのでよかったですね。前回の青森で個人パーシュートを優勝できたので、違う種目でも優勝できたのは嬉しいですね」
■エリミネイションレース
24名で争われたエリミネイションレース、序盤からハイペースのレースになりました。最後は昨年の覇者・小林泰正とアジアチャンピオンジャージを着た橋本英也の対決になりましたが、残り4名になった時に車間があいて、追いかけた小林がそこで脚をロスし、それが響いて、橋本が優勝を決めました。
優勝・橋本英也(岐阜)
「初めての全プロのエリミでしっかり優勝できてよかったです! 実際に走ってみないとどんなレースかわからなかったので、ごちゃついてしまい迷惑をかけたのは申し訳なかったです。アジアチャンピオンジャージを着るからには、優勝したいと思っていたので、無事に優勝することができてよかったです。400なので1周1回だったし、外で風があった分、ちょっと違いましたね」
2位・小林泰正(群馬)
「英也さんに上手くやられました。また来年頑張ります!」
3位・内藤宣彦(秋田)
「3位は嬉しいです! 最初から最後までヒヤヒヤしながら走ってました。組み立てとしては橋本英也君が強いので、そこ意識し、後ろだと引きずりまわされると思ったので、今回は珍しく前の方でレースをしたら、きつかったけど例年よりは脚を使わずに走れたと思います」