今年は弥彦での開催。これまで先行有利なバンクが続いてきたグレード戦線でありますが、ここでは先行選手にとって長い直線が待ち受けています。これまで活躍できなかった縦脚重視の追い込み選手には、チャンス到来です。もちろん、展開にもよりますが、ある程度の位置にいれば十分にチャンスはあります。
そして、寬仁親王牌は世界選手権記念トーナメントでもあります。1990年にグリーンドーム前橋で開催された世界選手権を記念して誕生し、1994年に特別競輪へ昇格、2001年のグレード制導入でGIに格付けされたシリーズです。世界選手権は、バンクの基礎の上に競技用の木製33バンクを設けて開催されました。当時は250バンクという縛りはありませんでした。競輪が独自の文化を築いていた時代でもあります。そこから36年の月日が流れ、競輪が競技に近づいていき、当時とは全く違う形となりました。特に寬仁親王牌は、自転車競技の実績を重視して選考されるため 、そのようなスタイルの選手も多いです。
そして、グランプリシート争いもここが佳境です。最後の競輪祭では、優勝者以外の候補はもう数名に絞られているからです。ここでチャンスを広げて、競輪祭につなげていくことが大事になります。もちろん、優勝することが一番ですが、それは運にも左右されます。ここが正念場です。
初日、2日目を終えて目に留まったのは、地元地区の菊池岳仁。先行の印象が強いですが、自在戦でも積極的に位置を作り、まくりも良いスピードを持っています。2日目の気迫あふれるレースはインパクトがありました。そして、犬伏湧也と石原颯も高い次元で好調を維持していると感じました。
3日目の準決勝は、どのレースも混戦模様でした。
10Rは、木村皆斗の先行をどの選手も想定して組み立てていたと思います。しかし、木村にその意思はなく、それまでの勝ち上がりと同様に位置取りに出ました。そうなれば、やはり深谷知広の先行になります。その番手を木村と嘉永泰斗が争い、木村が番手争いを制して深谷をとらえました。
11Rは、寺崎浩平が山崎賢人を押さえて先頭に立つ。 菊池がもう少し早く来ていたら迎え入れたと思いますが、寺崎が先行の意思を固めてからでした。寺崎が先行。そこを後方に置かれた犬伏がまくりを放つ。一気に前団をのみ込み、決着。寺崎がまくられたときに、古性優作は切り替えるべきと感じました。そのことで寺崎は前を追う形で復活しましたが、あって3着。それを考えると、やはり切り替えるべき。2センターを回ってからも直線が長いこと、そして犬伏が先頭にいることを考えると、内しかなかったと思います。結果は、内を突いた阿部力也 が2着まで食い込みました。
12R。石原颯の仕掛けに合わせて脇本勇希が踏みました。石原にとってはタイミングが難しくなり、脚も使わされました。そのことで、前待ちの眞杉匠が先行せざるを得ない状況になりました。石原はその状況で何とか出切りましたが、苦しい展開でした。そして、郡司浩平が伸びた結果でした。
揃ったメンバーは、郡司に阿部拓真、阿部力也の北日本勢が付けています。犬伏、石原、松本の四国ライン。木村に吉田拓矢の茨城ラインで、荒井崇博が単騎という構成です。松山オールスターから考えると、犬伏の早めの先行になりそうですが、すんなりと石原が番手を回れるかが、このレースの全てでしょう。
展開予想
スタートは郡司ライン。そして、枠なりに茨城勢、四国勢と続き、荒井で周回。後方の犬伏が上昇するでしょう。それに合わせて木村が上昇すれば、イン粘りになるのでは。仮に動かず、犬伏ラインを追って叩いたとしても、それは四国勢のレースになります。
その展開なら吉田が番手に飛び付くこともあるが、それはタイミングにもよると思います。それなら、やはり木村のイン切りからの飛び付きの方が戦いやすいのでは。
混戦になれば、郡司のまくりもあるかも。直線が長いだけに、荒井にもチャンスがあるのではないでしょうか。ただ、四国勢の後ろを確保できるかが全て。郡司が飛び付く展開もあるかもです。すんなりなら石原。木村が飛び付くなら、吉田の優勝かもしれません。
車券的推理予想
3=9-7124 3-7-912 3=2-914 2=1-5694 2-169-16945
結果 3-9-2 23.8倍(2番人気)
レース経過
前受けは茨城ライン。そこに荒井。そして四国勢で、郡司ラインが後方で周回。まず郡司が犬伏を押さえます。犬伏も抵抗することなく下げて7番手。犬伏にとっては、たとえ前団の木村が踏み込んでも、叩く余裕があったと思います。
そして、木村が踏み込み先行態勢。そこを打鐘で犬伏が仕掛け、あっさり叩きました。この時点で勝負が決したと言って良いでしょう。あとは松本が抜くか抜かないかでした。2コーナーから石原が番手まくり。その3番手に吉田が切り替えていましたが、掛かりを考えると、そこから仕掛けるのは無理でした。
このレースは木村の出方次第でありましたが、その木村が決勝戦だけ正攻法。先行で勝ち上がってきていません。決勝だけ先行しても通用しない。ここまで来たら、最後まで位置を狙って走るべきだったと思います。
そして、石原の優勝となり、四国勢は楽な展開でした。これは四国勢がそうしたわけではなく、別線の考えや走り方が原因です。郡司にしても、犬伏の横まで上がらず、石原の位置を狙った方が勝機はあったでしょう。
ともかく11月の競輪祭をどう戦っていくか。今回の戦いをそれぞれがどう受け止め、次の勝負にどう生かすのか、その走りを見届けたいと思います。