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車券推理の極意 2026熊本全日本選抜「決勝」
解説&分析 2026.02.25

車券推理の極意 2026熊本全日本選抜「決勝」

#レース予想の極意

熊本で久々に開催されるGⅠ。500バンクから400バンクに変わって初のGⅠ開催です。震災の影響で長く休止していましたが、生まれ変わって戻ってきました。記念開催は行われていますが、熊本初参加の選手や、400バンクになってから初出走の選手もいます。そこで、まずはバンク特性の見極めが重要になります。

500バンク時代には「滑走路」と言われた長い直線。その特色は400バンクに変わっても残されています。そのためコーナーは小さく、カントはきつく立っています。現在の競輪は、一気にスピードを上げ、それを維持してゴールを目指す傾向にあります。しかし、ここでは直線が長い分、しっかり踏み直せる力も求められます。基本的には、やはり追い込み優位となります。

年明けからここまで、脇本雄太が記念を連覇しました。圧倒的なスピードでの優勝でした。その勢いはこのまま続くのか。その他のS級S班では、吉田拓矢が安定して記念優勝。郡司浩平も安定はしていますが、まだ優勝がない。眞杉匠は、ツキのなさもあって決勝に乗れていません。ただ、安定した力は感じます。その反面、古性優作は本来の動きには程遠い印象。果たしてこのシリーズでの明暗はいかに――です。

初日、やはり直線の長さを感じるレースが多かった。先行選手が残れない。その中で目を引いたのは山崎賢人です。早めに出ての2着。上がりタイムも上々。ナショナルチーム時代は逃げて粘るイメージはありませんでしたが、競輪に集中してからは以前の山崎が戻ってきたように感じます。レース運びにも外連味がなかったです。あとは北津留翼、石原颯が印象に残りましたが、番組的に力の違いが大きかったことが要因でしょう。特選組では、脇本の勢いは止まらず。眞杉がさすがの運び。寺崎浩平も動きは良かった初日でした。

2日目は杉浦侑吾が新山響平とのもがき合いを制し、なおかつ1着。初日も同様でしたが、強い杉浦が戻ってきました。太田海也は深谷知広を一気に飲み込み、スピードの違いを見せつけました。松本貴治も立ち遅れましたが、目を見張るスピードの縦脚を発揮し、見事な1着でした。

「スタールビー賞」では、寺崎が郡司に早めに叩かれて混戦模様になり、そこを古性優作が伸びました。初日の不安な面も出ましたが、ここ最近の出来を含め、それらを一気に払拭した一走でした。

そして迎えた3日目。

「準決勝」10R。九州勢が早めにハイペースに持ち込み、犬伏湧也が中途半端な仕掛け。番手の松本も迷いつつ近畿勢に切り替えました。その中で4番手を確保した鈴木玄人がホームで仕掛け、後続が一気に加速。流れが後続に傾き、脇本雄太が展開をものにしました。

11Rは新山が先行。清水裕友がイン粘り。そこを嘉永泰斗が仕掛けました。2コーナーからごちゃつき、そこを寺崎がまくった結果です。地元・嘉永泰斗には残念な結果でしたが、仕方ない面もある。番手がしっかりさばくか、目配せしていれば問題ないレースだったかもしれません。横ができない選手は内が気になるのは仕方ないですが、番手の競走をしてほしかったです。

12Rは太田が杉浦を封じ込めて先行。しっかり郡司が位置をキープ。このレースも、それぞれが着位を優先したように感じました。そんな中、外枠の山口拳矢はよくしのいだと思います。

出そろった決勝メンバーは、近畿が寺崎、脇本、古性、三谷の並び。郡司に荒井。犬伏、松浦の四国・中国ライン。そして山口が単騎です。

寺崎先行で考えると、5番手は郡司で、その後ろが山口。そこを犬伏がかます展開になりますが、乗り越えるのは難しいです。逆に犬伏が押さえて寺崎が下げるなら、近畿勢には厳しい展開に。寺崎が行き切っても、番手は松浦か郡司に取られる。近畿以外の選手にとってはこの展開が理想です。しかし寺崎はそれを避けると考える。やはり寺崎先行と考えるべき。道中で内に潜り込まれない限り、本線は脇本。ただ、脇本は番手なので脚を使います。古性の逆転もここはありそうです。

展開予想としては、スタートは郡司が取り、その後ろが近畿ライン。続いて犬伏で、最後方が山口という周回。犬伏の上昇に合わせて寺崎が出る。郡司は5番手、山口が7番手で打鐘を迎える。再度、犬伏が打鐘4コーナーで仕掛ける。近畿勢が内を開けるなら、郡司がそこを突く可能性はある。すんなり近畿勢上位独占もある。

車券的推理予想
3=9-1246 3=1-924 1=9-5746

結果
3-9-7  1,940円

レース経過
スタートは古性が取り、近畿前受け。郡司はスタートを取れたが、近畿の後ろを選択。そして山口、犬伏ラインの順で周回。赤板前に犬伏が動くが、寺崎を叩くというより追い出しの動き。寺崎はもちろん突っ張り先行。郡司はまくり一発に賭け、犬伏もカマシに賭ける選択になった。

そのままレースは流れ、2コーナーから脇本が番手まくり。近畿4番手の三谷がやや離れ気味だったが、ラインの仕事をこなした。そして脇本が古性を振り切って優勝。

近畿勢の完璧なレース運びでした。それぞれが、それぞれの役割をしっかりと果たしました。近畿にとっては、完璧なレースと言っていいでしょう。寺崎、脇本、古性の上をまくれるとは想像しにくい。しかし郡司はその選択をしました。スタートを取れたならイン粘り、あるいはあの展開でも4コーナー出口に合わせて追い上げる手もあったと思います。

寺崎、脇本、古性は、これからもGⅠ決勝で同乗する確率は高いです。今後、郡司は何かを変えないと勝てない。郡司はスマートな戦法ですが、このままでは同じことの繰り返しです。その意味では、今後の郡司の走りは楽しみです。

優勝した脇本は昨年に引き続き連覇。11個目のタイトルです。まだまだ積み上げるでしょう。古性の立て直しにも今後期待したいです。

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