グランプリは一年の集大成であります。車券的に考えると、どのレースも同じではあります。しかし今年一年の様々なシーンが思い出され感慨深いレースです。グランプリに出場する選手はそれぞれここに至るまでの経緯が違います。力でもぎ取って出場を果たした者。ラインを活かしタイトルを手にした者。巡って来たワンチャンスもものにした者。グランプリには選手の生き様が表れます。今年はどんな結末が待っているのでしょうか。
今年は平塚でのグランプリ。このバンクは周知の通り、丸いバンクで先行有利。先手を取ったラインの中から優勝者が出る事が圧倒的に多いバンクです。感覚的には33バンクのイメージに近いものがあります。そんなバンクでのグランプリです。
今年を振り返ると、まず全日本選抜で近畿勢が大量に決勝進出を果たし、その中で脇本が優勝しました。近畿にとってはこの脇本の優勝は大きく、近畿が常にイニシアティブを握る事になりました。その中で寺崎の優勝があったと言えます。ただ古性は今年ウィナーズでは勝ちはしましたが、ノンタイトルに終わった事は意外でした。サマーナイトの落車以降は精彩を欠いた感じがしました。しかし全てのG1で決勝進出は古性たる所以でしょう。
そして関東勢は眞杉が先行を中心に、勝負所では自在に走るスタイルで君臨しました。その中でのダービーは吉田に抜かれはしましたが、シリーズ通して完璧に近いものがあったと思います。
ダービー王に輝いた吉田も、色々な経験をバネに縦脚鋭い選手に飛躍したと感じさせました。
地元の郡司はGⅠでの活躍よりGⅢでの活躍が決め手となった感はあります。これは郡司が神奈川勢を牽引した事が大きいと感じます。
嘉永、阿部、南に関しては巡って来たチャンスをしっかりものにし、グランプリ出場を果たしました。
今年のグランプリは先行一車に近いライン形成です。近畿が4車想定通り並び。寺崎の先行一車と考えて良い。その番手の脇本の状況がどうであれ、この平塚バンクの特性を考えると狙われる位置になります。その筆頭は眞杉です。外でも内でも脇本相手なら競り勝つ可能性は高いです。1番車が郡司で、2番車が寺崎です。郡司が出なければ寺崎が前受けで突っ張り先行になる。眞杉は外競りの可能性が高くなります。眞杉が動かないなら、このレースは何も無く近畿勢の上位独占のレースです。それは見る側のファンが許さない。しかしこのバンクはあり得ます。
展開予想
前受けは寺崎率いる近畿ライン。その後ろに1番車を活かし郡司。そして関東勢。阿部と嘉永は流
動的に前後する。当然ラインのある眞杉が上昇。それに合わし寺崎が突っ張る。合わされた形か
ら眞杉は脇本を決めに行く。その時に古性は横にいる吉田を飛ばす。そして眞杉と古性でのゴール
勝負。勿論すんなりなら、脇本が後続の動きに合わせ番手まくり。古性、南までの突き抜けまで
ある。絶対的に優位なのは近畿ラインのグランプリ。
車券的推理予想
9-4-735 9-5-342 2=7-9359=3-415 5=3-91
結果
1-6-5 204.9倍(79番人気)
レース経過
前受けは近畿。その後ろに郡司。その後ろに阿部が入る。そして関東勢で嘉永で周回。まず眞杉が動き寺崎が合わせる。そして眞杉は下げ脇本の位置を狙う。眞杉は切れたら切る。切れないなら番手勝負だったと思う。そして寺崎が少しペース掛け。これがこのレースを決めた最大の要因と思う。それで番手以降が絡れた。それが最後尾にいた嘉永のまくりを加速させた。郡司はすかさず嘉永に切り替える。この時に寺崎は嘉永を止めに行った。この動きで番手を取った眞杉と、その後ろの古性が内を突く。眞杉は古性の内突きを考えていなかった。古性は眞杉を出し抜く様な形を考えた。眞杉はアンコになり後退。古性も絡まり、そして一番重い位置にいて失速。しかしあの状況なら、その判断は仕方ない。そしてまくり切った嘉永を目標に、さらに郡司がまくって優勝。
2025シーズンは郡司浩平のバックまくりで幕を閉じました。念願のビックタイトルを初めて自分
のスタイルで手中に納めた。地元バンクで自らものにした達成感は格別だと思います。
ポイントはやはり寺崎が番手競りの形になり、ペースで先行した事です。もっとペースを上げて
いれば競りは内が有利になります。そしてそれが要因で最後まで掛り切らなかった様にも見えまし
た。吉田の再度の上昇や、眞杉、古性が内を狙った事。そして最後尾の嘉永がまくり切った事な
どです。
脚を貯められる位置にいた郡司が、その展開をものにしました。
郡司には来年も更らに競輪を極めて行って欲しいです。