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車券推理の極意 2025函館 オールスター競輪「決勝」
解説&分析 2025.08.20

車券推理の極意 2025函館 オールスター競輪「決勝」

#レース予想の極意

函館でのGⅠは2012年高松宮記念杯競輪以来の2度目の開催です。その高松宮記念杯決勝は脇本雄太が先行し、3番手を取った武田豊樹が混戦になるも内を突き優勝したレースでした。脇本はこの時点では先行するだけの選手から、先行で勝ち上がれる選手に成長した感じで、まだまだ成長過程といったところ。タイトルを獲るのはこの先です。今の状況は心配されますが、成熟仕切った脇本です。今回のシリーズはどんな展開が待ち受けているでしょうか。

今年は概定番組が大きく変わりました。まずオリオンレースが2個になり、準々決勝が設けられた事で、一次予選から決勝まで5走しなければなりません。ただ、勝ち上がりの幅は広く、権利取りの組み立ての選手も多くいました。そして上位陣、ファン投票上位選手の優遇感は強いですが、これは当然と言ってもいいかもしれないと思います。私の時代はドリームレース1着でも二次予選まわりの3着取りでしたから、常に勝負を求められていました。ドリームレースに関しては、ファンの夢と考えると、勝ち上がり関係なくのレースが理想だと思います。しかし、今回の番組では上位陣が準決勝までは多く勝ち上がりやすい。その意味では、準決勝以降は好メンバーになりそうで、ファンの心に応えるメンバーになりやすいでしょう。

迎えた初日ドリームレースは、脇本の先行を太田海也が叩き、深谷知広がまくるレースでした。脇本、古性優作の近畿ラインは満身創痍。その中でもファンの期待に応えるべき事をしました。結果は現状では厳しいと感じましたが、ファン投票の重み、ファンの夢を乗せての走りでした。

2日目のオリオン賞では山口拳矢がここ最近の勢いのままにまくり、吉田拓矢も位置が少し後方になりましたが、素晴らしい縦脚を披露した。

そして迎えた準決勝。9Rは太田がスタート取り、脇本が後方になる。そのため脇本から動き出した。太田は下げたが脇本の3番手で留まる。山口が脇本ライン追走になり、そこで3番手争いになりました。太田は下げれば郡司浩平が仕掛け、脇本3番手も考えられる。その場合は後方になる為に下げなかった。郡司は打鐘4コーナーまで仕掛けないので脇本もそれなら先行しやすく、太田の位置取は正解でした。そこからまくりに行ったが脇本が踏み直し両者のもがき合い。見応え十分。

10R 犬伏湧也が前受け選択。後方の眞杉匠が上昇し犬伏は下げる。しかし眞杉ラインの4番手で留まる。嘉永泰斗が後方から追い上げ、意外な中団並走。眞杉は早目に犬伏が巻き返して来ると考えての上昇でしたが、犬伏が仕掛けて来ないので先行策となりました。その犬伏は下げれば眞杉が待っているので、仕掛けられたとは思います。

11R 新山響平が前受けで、突っ張り先行に期待したファンの方もいたでしょう。しかし3番手に寺崎浩平が入っていたので下げました。寺崎もその分番手が下がりましたが、後方から仕掛けて来た深谷をけん制し、まくり位置キープ。新山は絶好の3番手になりましたが、予期していなかったか山田庸平の番手まくりでタイミングが狂ったと思います。そして隊列が整った時に寺崎がまくりを放って決着でした。

出揃った決勝メンバーは近畿4車。並びは脇本、寺崎、古性、南修二の並びとなった。そして中国ラインは太田、岩津裕介。そこにライン的に近い松本貴治は付かなかった。これは立派と思います。3番手とは回らない考えは松本の立ち位置や戦法からは理解出来ます。そして関東は吉田に佐藤礼文の並びの決勝戦です。

展開予想

まずスタートは近畿ライン。古性が1番車であり、寺崎をすんなり回す事を考えれば、それが妥当か。そして2番車の太田が5番手。しかし単騎の松本がこの位置に入る事は十分考えられる。そして後方が外枠の茨城ライン。前受けの脇本は当然突っ張り策だが、後方の吉田が動かなければレースは単調になる。吉田が動き脇本が突っ張る。吉田は寺崎の位置を狙う。この動きで吉田は勝てなくても失う物はなく、むしろそれをしなければ失う物がある。グランプリを見据えても、それはしなければならない。結果、その並走状態が太田に味方はする。すんなりなら寺崎優勝。吉田が位置を狙えば太田が勝つか。

車券的推理予想  7=1-435   2-8-513

結果 7-1-4 7.3倍(1番人気)

レース経過

スタートは古性が取り近畿勢。そして中団は関東勢。その後ろに松本が入り、後方に岡山ラインで周回。青板過ぎから太田が上昇気配を見せ赤板ホームで脇本が突っ張り、太田が下がる。この時に太田が苦し紛れの位置取りに走るが、古性がしっかり追い上げ南も続く。そしてその後ろに松本がはいった。そして吉田ライン。太田はラインの後方まで下げた。この時点で寺崎の優勝は確定したと言っていい。吉田も最終2コーナーから仕掛けたが、脇本の先行で番手まくりをまくるのは現実的に無理です。近畿ラインは楽にレースを進め、上位独占。近畿にとっては最高の結果でした。

今回のオールスターはレースとしては単調で何の変化もないレース。その要因は明らかに選手の技術不足と、作戦の組み立ての甘さです。太田は、脚は有りますが経験不足です。ただ吉田に関しては、ただ単に攻めていないレースでした。遠方から来たファンの方、遅くまでレースを見ていた方にとっては、肩透かしなレースでの決着となりました。

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