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車券推理の極意 2025高松宮記念杯競輪GⅠ「決勝」
解説&分析 2025.06.25

車券推理の極意 2025高松宮記念杯競輪GⅠ「決勝」

#レース予想の極意

岸和田に定着した高松宮記念杯競輪。東西対抗戦。東は同地区なら並ぶ傾向にあるが、参加人数が3地区均等でない事と、トライアル戦もあり、高松宮記念杯に限り別線選択が増える。西は普段、別線選択が多いが5地区ありここではしっかりライン形成。逆に言えばラインで共倒れしやすくなる。それがここ最近の傾向である。東西共に勝負に撤する者が勝つ。そしてトライアル2走は他の選手達への印象付けが大事になります。それは二次予選以降を優位にする要因になります。ただ単に勝ち上がれば良い訳ではありません。いかに流れを作り、流れに乗るか。各選手それぞれ置かれている立場や状況は違いますが、権利取りをせずしっかり勝負出来るかが鍵となります。

初日を振り返り動きが良かったのは吉田拓矢。展開もあるが、好調を維持している。脇本雄太、深谷知広、郡司浩平はいつも通り安定した力を発揮した。

2日目は上位陣が危なげなく結果につなげました。動きの良い選手が今シリーズは多く二次予選から激戦が予想されました。

そして男子はようやく一次予選が終了。ここまでで好調な選手が浮き彫りに。やはり吉田拓が筆頭で、清水裕友、松井宏佑、犬伏湧也、太田海也が抜けた存在か。ただ立ち回りも含めるとやはり、古性優作と眞杉匠。古性はまだ鳴りを潜め、眞杉は正攻法での戦いで得意の変化技は封印している。

4日目、白虎賞は犬伏対太田の力比べになったが、あっさり太田が叩いた。そして脇本が外伸び1着。色々な要素が有り見応えがありました。対して青龍賞は松井が先行し、番手郡司が出て決着。単調な流れであったがこのレースは仕方ない。

5日目、準決勝9Rは前団での位置取り争いが落ち着いたところを労せず太田が先行態勢。脇本が8番手。それでも届いた脇本。

10Rの眞杉は勝負所で前を見る時間が長くなり、ワンテンポ遅れた事が敗因。森田優弥も眞杉も深谷の番手飛び付きに重きを置いた組み立てと感じた。

11Rは寺崎浩平が打鐘から犬伏を叩いたのが全て。犬伏が巻き返したが一旦脚を使っている分に出られずか。

12Rは松井が前受けにこだわり過ぎ、その流れで脚を消耗した。チャンスをものにした末木浩二で決着。

準決勝を終え、出来の良かった吉田拓と眞杉が姿を消した。どちらも難しい一戦であったので、一つのミスが命取りになったと感じます。そして高松宮記念杯は準決勝が4レース。ある意味主力が分散し、潰し合いは避けられる一面もあります。

決勝は近畿が寺崎、脇本、古性。中国勢は太田、清水。南関ラインは深谷、郡司、松谷秀幸。そして単騎を選択した末木のメンバーとなった。まず太田は先行に迷いがないと感じる。そして寺崎は後ろに脇本、古性を付けるが勝ちも意識する。2月の全日本選抜で寺崎はまくり追い込みで脇本に抜かれている。それはどこから行っても良いとも解釈出来る事。そして深谷だが、深谷自身、叩き合いがあると読むならチャンスでもあるが、寺崎が中団選択をしたら後方になる。レースでは番手絶好は清水。末木が清水の後ろにいるかである。

展開予想

深谷が前受けで、中団は近畿。そして中国勢に末木と周回を読む。深谷が前受け選択なら叩き合いを期待している事にはなる。そして太田が上昇。この時に寺崎が合わせて出て行くなら中団取りになるが、それを深谷が察知し寺崎を出さない選択もある。寺崎が切ると考えるなら、太田を出させて4番手。末木が中国勢の後ろにいると考える。そして寺崎が捲り追い込み。太田もすんなり先行になり、番手清水も絡まれていない。この両ラインで激突と読む。やはり本命は脇本だが、横並び。それは清水、寺崎、古性だ。

車券的推理予想
7-139-13964  1-73-7364  3-176-17654

結果
7-1-5 16.7倍(1番人気)

レース経過

太田がいつもと同じく前受けを選択。1番車の古性がいる近畿が中団。南関ラインが後方で、そして末木。赤板前に深谷が動き出すが、太田がしっかり対応。しかし両者共に脚は結構使った。前団が落ち着いたところで、寺崎が仕掛ける。太田がここは逆らわず4番手追走。しかし、最初のホームで近畿ラインが主導権を取った事でレースはほぼ決着した。後は古性が交わすか交わさないかだった。脇本がバック過ぎから出て行き、古性を振り切り優勝。

太田が前受けから連日先行していたが、ここでもそれを選択した。当然、中団は近畿になると分かっていたはずである。それでも突っ張り先行に拘った気持ちは分かる。ただ、近畿に優勝をプレゼントする要因となった。太田にとって、競輪のまだ序の口と考えていて、その中で突っ張り先行ならそれはそれで立派な事である。今後の太田の多彩な先行に期待したい。寺崎は優勝を狙うかと考えたが、ここでしっかり先行。全日本選抜を良しとしていなかったと理解した。そして優勝した脇本にとっては楽な展開であり、しっかりチャンスをものにした。最後に古性は脇本の先行なら交わせるが、まくりなら現時点では厳しいと痛感したと思う。ただ、古性は目標がいない時は優勝候補筆頭に今後もなるだろう。

今回の高松宮記念杯は好調な選手が何人か脱落した。展開の読みや、判断を見誤った結果であるが、次回オールスターでの活躍を期待したい。

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