今回で3回目を迎えるガールズGⅠパールカップ。ガールズケイリンも10年以上の年月を重ね、タイトル戦も増え、成長してきました。しかし競輪の歴史は長いですが、ガールズケイリンはまだまだこれからであり、これからも成長していく。展開やレースの組み立ても徐々に変化し特色のある選手も出てきています。個の戦法もそれぞれ明白になってきました。過去があり、過去から未来へ飛躍していくでしょう。
このパールカップの第1回はホームからかました児玉碧衣が優勝。そして第2回は奥井迪のホームかましに乗った石井貴子が優勝しました。今回は佐藤水菜が優勝候補筆頭だが、元女王と言うべき児玉が巻き返すか。そして新進気鋭の仲澤春香が新風を吹かせる事にも期待したいシリーズです。
初日1組目、ガールズ予選5Rで児玉があっさり敗れた。普段のガールズ戦と同じ組み立てをしたと感じる。通常のガールズ戦は力の差がハッキリしている事と、児玉を力で敗れる選手が他にいない事。どんな展開でも児玉の力があれば勝てるメンバー構成が通常です。その流れのままに走ったと感じます。男子のFⅠ戦で活躍する選手が記念では勝てない理由と同じ感じです。
初日6Rでは梅川風子が力で制圧。7Rは期待の仲澤が力を発揮した。ただ番手に追い上げた形になった小林優香に交わされた。結果をどう評価するか。
8Rは佐藤がレースを上手く運び危なげなくまくった。初日を終え、やはり佐藤の力が飛び抜けている。それを追随するのは梅川です。そして仲澤であるが、判断が難しい。
2日目準決勝。西は王者と言うべき児玉の姿がない。通常のシリーズでは結果を残しているが、GⅠでは結果を残していない選手が多く、少しお見合いのようなレースとなった。その点に置いて仲澤はこれからの選手であり、思い切ったレース運びが出来る。その仲澤が仕掛け、そのまま逃げ切った。
東は力の激突。最終ホームでまず奥井が仕掛けるが、太田が突っ張る。更に梅川が仕掛けた。ホームでの矢継ぎ早な仕掛けは見応えがあった。その流れの中で、中バンクに押し上げられた佐藤がまくった。中バンクからの仕掛けでタイムも自然と出た感じであるが、強かった。
準決勝を終え、やはり佐藤がリード。ただ東の準決勝で力の序列が明白になったので、他の選手がそれを受け入れ、もがき合いがなければ波乱もある。
展開予想
奥井が外枠なのでスタートを取ると読む。奥井がスタートなら突っ張りもあり、前々に進めるので、その後ろもいい位置になる。そこに内枠の尾崎で、仲澤、竹野。そして佐藤、梅川、柳原か。
もし仮に佐藤が奥井の後ろなら、波乱につながる。他の選手なら有利に進められる位置になるが!佐藤なら早めに、自力型が奥井を切り後方に追いやる。その流れで佐藤も後ろになる。そこで仕掛けるのは梅川と仲澤。その両者がもがき合いを避け並ぶなら佐藤は苦しい。東の準決勝同様にもがき合うなら、佐藤の優勝で2着探しになるが、なければ前団の選手で決まるかもしれない。
車券的推理予想
1=5-362 1=2-536 2=5-136
結果
1-3-4 58.7倍(18番人気)
レース経過
スタートは外枠の奥井が取り、その後ろに仲澤。そして佐藤が続いたが、竹野が追い上げる。佐藤の後ろが尾崎、梅川、柳原で周回。竹野と佐藤は、佐藤が内に詰まるので引かざるを得ない。そして佐藤が下げ赤板。仲澤、佐藤、梅川が車間を切る。それを終始、佐藤が梅川を警戒し動かせず。
前団の仲澤も奥井の動きを利用したい。それが仕掛けを遅らせた。スタートを取った奥井は自分の仕掛けたい所から仕掛けられる展開にはなった。そして奥井が仕掛け、佐藤が最終ホームで仕掛ける。一気に加速し、前団を飲み込み、後方を寄せ付けず、決着。
このレースは準決勝までの2走で決まったと言って良い。それは佐藤がその2走でシリーズを制圧したからです。そこには縦脚だけでなく、組み立ても良かった事があります。予選はイン切りから好位のまくり、2走目はもがき合いを圧勝した事です。それがあっての決勝は単調なレースになったのです。佐藤がレースを完全に掌握し、完勝と言える優勝でした。