今回は伊東での開催。333としては長めの直線ですが、333バンクです。先行選手の動き出しは早く、早めの叩き合いは避けられないシリーズになると思われます。
今年は年明けから南関勢がレースを引っ張りましたが、ラインは形成されていても厚みを感じない部分がありました。ただその中で郡司は高い位置での安定感があり、また深谷の気迫を感じさせる走りは周囲の流れも変えています。深谷は地元静岡記念、そして元地元の豊橋全日本選抜、名古屋記念。そしてこの伊東ウィナーズカップにつながっています。ここまでが深谷にとっては、一つの区切りと考えていると思います。ここでしっかり結果を出せるかです。
初日から選考基準から来る力の差を感じるレースが続き、その事で準決勝は粒揃いになりました。
10Rは眞杉の洗練されたレース運びが光りました。林を上手く使い、寺崎を構えさせ、ホームから仕掛ける形です。描いた通りの運びだったでしょう。対して寺崎は連勝でここまで来ましたが、いつも通り構えての走り。初日は前団がもがき合い捲りごろ。2日目は優秀競走で、別線が結果よりも内容を求めたため展開が流れて来ました。準決勝もそれで行けると考えていたのか、それともそれが寺崎なのかでした。
11Rは深谷が突っ張るかと思いましたが、纐纈の勢いに負けたか下げての7番手。レースペースと位置的には絶体絶命でした。仕掛けも2コーナーになり。しかし今開催随一のスピードで前団を飲み込み切り抜けたレースです。
12Rは新山が犬伏を相手に突っ張り先行。古性が3番手に居ても自身のスタイルを貫きました。そして伊藤を合わせました。古性には抜かれましたが、2着に粘る圧巻のレースでした。
そして決勝メンバーは寺崎、古性、村田の近畿勢。郡司が先頭、深谷、岩本の南関勢。新山には浅井が付き、眞杉が単騎自在戦です。新山は迷う事なく先行。そこに誰が叩きに行くかのレースです。
展開予想
スタートは古性が出るも、南関勢を入れず新山ラインを迎え入れると考える。結果南関ラインは後方。そして眞杉がどの位置を選択するかです。枠なりなら9番手ですが、スタート取りに行き、新山ラインの後ろか。取れなければ近畿の後ろになるか。後方の郡司が新山を叩く事になりますが、準決勝同様に新山は譲らない。譲れば、一旦ペースが落ちそこを寺崎が叩く展開になるため8番手になる。ただ郡司を合わしても深谷がそのまま仕掛ける。そこには眞杉が付いているか。それとも寺崎かです。眞杉はこの時に岩本を飛ばしている可能性もある。深谷、眞杉で決まるか、そこに古性が迫るか。前団がもがき合い、結果展開が後方に流れるなら、それは近畿だと感じる。
車券的推理予想
4-9-17
4=1-97
4=7-19
1=5-47
結果
1-7-3 204.4倍(73番人気)
レース経過
スタートは古性が取り近畿勢が前受けで、郡司が4番手キープで南関ライン。そして眞杉で、後方8番手に新山ラインで周回。まず新山から動きだすが、前受けの寺崎が反応し突っ張りの気配を感じさせる。寺崎の勝ち上がりの内容が良くないだけに突っ張るかもと、郡司も感じたはず。その事で郡司は寺崎を切らず。そして新山が寺崎を叩き先行。寺崎は少し中途半端な仕掛けになり、狙いが良く分からなく感じた。しかしその動きがあって3番手を確保。動きから見ると突っ張り策にも感じました。それで早目に仕掛け直したと思います。しかしその寺崎の動きを新山は合わせ切った。それと同時に郡司も仕掛けていたが出切れず。その番手深谷も後退。古性がしっかり勝てる位置を確保し続ける。そして眞杉です。その古性をも一気に飲み込むほどのスピードで古性に迫る。眞杉は深谷の後ろになったが、深谷より先に仕掛けた。深谷は準決勝同様の仕掛けを考えたと思うが、それを眞杉は許さなかった。ただこのスピードを古性に止められる。
そしてそこから古性が仕掛け優勝。止められた眞杉も立て直し2着。この動きを出来るのは眞杉だけかも知れない。そして逃げた新山が粘り3着。着内3選手は、誰もが戦法を貫き素晴らしいレースをしました。
選考基準で1着が優先されているので、競輪のレース形態からカマシ先行の選手が増えて来ます。その結果、より一層淡白なレースになりやすい。ただ上位戦になると戦術に長けた選手が目に付き、その要素を持たない選手は勝ちにくい事が顕著に現れています。今回その事を強く感じました。古性、眞杉、新山らは別格です。次回はダービー、名古屋高速400バンクで更に目が離せなくなるでしょう。
競輪はやはり技と戦術に自身を貫く選手が勝ちます。それは競輪の最大の魅力です。