豊橋でのGIは2度目。前回は5年前に同じく全日本選抜でありました。清水裕友が松浦悠士の先行に乗り優勝。そこから5年経ち地区の力関係も大きく変化してきました。当時は関東ゴールデンコンビ平原康多、武田豊樹から、中国ゴールデンコンビの清水、松浦に変化していた頃でした。今回優勝した脇本雄太や当時地元であった深谷知広はナショナルチームに在籍し、5年前は参加していませんでした。そしてその直後からコロナ禍になり競輪界も変化の時期となって行きました。そして現在は南関勢が郡司浩平を中心に一大勢力となっています。年頭から郡司が記念競輪を制圧し一歩抜き出た存在にもなっています。ただタイトル戦線では古性優作と脇本が圧倒している感もあります。そして若手の先行選手も成長し、5年で競輪界の勢力図も様変わりして来ました。
豊橋の冬と言えば、強風です。今シリーズも強風は吹き荒れました。そこに加えて雪もあったシリーズでした。初日からその風は大きくレースに影響しました。期待された若手の機動型が歯車が噛み合わないまま敗退して行くレースも多く、混沌とした一次予選でした。
ただ特別選抜予選3個レースはインパクトのあるレースが続き見応えがあり場内が湧きました。郡司のケレン味ない先行。深谷のスピード。そして眞杉の躊躇ない先行でした。人気になり本命視された脇本もレース内容自体良かった。同じく古性は判断に迷うレースとなり失敗はしましたが、調子自体はまずまずかと感じました。
そして二次予選は雪の降るレースもあり、極寒での戦いでした。昨年ブレークした窓場千加頼が古性を連れ、ここでも試練を乗り越え勝ち上がりました。優秀競走「スタールビー賞」は南関4車結束で番手郡司が快勝。ここまでの流れのままにレースを支配した形でした。むかえた準決勝は近畿勢が大量に勝ち上がり優位にレースを進めそうでした。
10Rは中釡章成が先行。同乗した郡司は外枠の不利さも加わり攻めあぐみました。中団確保した山崎賢人も緩んだ最終ホームで仕掛けるチャンスはありましたが、好位が故に躊躇し敗退。近畿3車が勝ち上がる結果。
11Rはここも近畿4車で福永大智が突っ張り先行。ただ眞杉が中団から近畿ライン3番手の脇本の位置に追い上げ位置を確保。ただ競り負けた脇本は上手く4番手にハマり、かろうじて勝ち上がりました。
12Rは新山響平が突っ張り先行。3番手古性がいましたが、自身の競走に徹しました。後方になった深谷が仕掛け番手以降が絡み、深谷の番手に新山がハマり、古性が3番手になりました。そしてバックで深谷がタレた感じで番手に入った新山を迷わしました。新山が仕掛けましたが、きっちり深谷が合わせたレースです。結果は古性が勝ちましたが、深谷の強先行と技有りの先行が光ったレースでした。準決勝を終え近畿勢6車。関東2車。そして勢力を誇る南関勢からは深谷1車のメンバーとなりました。並びは近畿が別れて、福井ラインで寺崎、脇本に三谷。大阪ラインで古性、南修二に、村田雅一。そして眞杉に吉田拓矢。深谷単騎の決勝戦となりました。
展開予想
前受けは寺崎の福井ライン。そして古性の大阪ラインで、眞杉の関東ライン。そして深谷で周回。当然後方の眞杉が動き寺崎が突っ張り気味に仕掛ける。眞杉がさげて、古性が4番手。深谷は終始後方と考える。しかし眞杉が脇本に競りかけ番手をキープするか。そこを捲る古性で、その流れの流れで深谷が届く展開と想定しました。
車券的推理予想
1=5-342
1=9-453
5-3-129
1=3-479
結果 9-7-3 272.1倍(100番人気)
レース経過
前受けに眞杉ライン。そして福井ラインで、大阪ライン。最後方が深谷で周回。古性が上昇するも眞杉が突っ張り、寺崎を待つのかと思われた。しかし眞杉がそのまま先行。この時に西武園オールスターを思い出した。吉田が先行し、眞杉が優勝した事です。今回は吉田が躊躇なく番手捲りを放ちました。しかし寺崎がそれを乗り越えて捲り切りました。その番手の脇本が抜け出し優勝です。
眞杉の先行は考えていませんでした。確かに眞杉オールスター優勝は吉田の力は大きい所でした。しかし眞杉がここまで成長した事でその事実を忘れていたことが全てです。しかしそこを寺崎が乗り越えて番手脇本が優勝しました。そこから捲った寺崎は強かったです。しかしある意味ラッキーでした。寺崎が先行なら脇本が早目に動き、寺崎は9着までありました。そして脇本優勝の寺崎が2着です。脇本の優勝の陰に、寺崎のグランプリも見えて来た事です。そして早々に脇本がグランプリを決めた事は、寺崎にとって大きな事になり自身もグランプリを視野に入れての今後のレースとなって行くでしょう。
優勝した脇本は今後の課題も大きくなったシリーズでもあります。番手戦を克服した訳でもなく、勝ち上がれた事はある意味ラッキーでした。しかし脇本がグランプリを決めた事は近畿勢にとって優位に今年一年作用していきます。グランプリでも近畿勢の躍進は大きくなるかも知れないです。そしてその中での、今後の脇本の動きにも注目です。