ウィナーズの選考基準は1着回数が最優先。そしてS級シリーズでの優勝回数などになります。ゆえにS班落ちの選手は出場しにくいのです。その結果2連覇中の清水裕友の姿はありませんでした。
この別府バンクは直線が長く海のすぐ近くでもあり、バック向かい風。ただこの時期は風がそこまで強くないかもですが、要注意である事は変わりないです。
選考基準から若手の出場しやすい大会でもあります。
その中で犬伏湧也に期待をしていました。前場所の大垣記念で単騎カマシでの優勝の勢いはあるのか。本来はラインが出来た上での優勝が本物と判断出来ますが、ここで証明出来るかでしたが、準決勝で敗退。
その準決勝はメンバー的に二次予選で好走した先行選手が揃い厳しい戦いになりました。今後の成長に期待です。
そして勿論、主役は脇本雄太でした。ネガティブなコメントが多い中での出走となり、結果も付いてきてない感じでしたが、落車に救われた決勝入りでした。
そしてその番手指定席の古性優作は初日から動きは良さそうでしたが、準決勝で見せた捲りは圧巻でした。深谷の先行を一蹴。一気にシリーズを引き寄せた感がありました。古性強し。
他では平原康多が決勝には乗れませんでしたが、毘沙門天賞で見せた動きは素晴らしかった。そして新山響平です。二次予選で見せた突っ張り先行。ハイピッチで2着に粘りました。ここまでの不安や雑念を一蹴する見事な走りでした。今後の新山を後押しするでしょう。
最終日「決勝」
実質新山の先行一車と言ってもいいメンバーとなりました。そして近畿ラインは 古性がライン先頭です。脇本は良くないとは言えませんが、気持ちが負けていると感じます。完調でないにしろ、消極的な走りが敗因です。オリンピックまではG1ぐらいの出走で未知の部分が多く、他の選手も手探りでした。しかしそれ以降出走回数が増え、他の選手が対応してきました。そして尻込みする事なく前団で自分達のレースを出来る様になりました。しかし脇本は以前のままで、その競走に対応していません。それが大きな要因です。脇本が自身の調子のことばかり言っている間はこの状態が続く可能性が高いでしょう。
今回は古性の番手回りです。単調な流れでないと、厳しい戦いになりそうです。現時点での状況を考えると古性にとっては良い並びでしょう。北日本は定石通り新山、新田祐大、守澤太志の並び。地元九州勢は嘉永泰斗に山田庸平。そして松浦悠士には、福田知也が付ける4分戦となりました。
展開予想
前受けは北日本勢。グランプリと同様にイン粘りを嫌ってのスタート取り。そして1番車の脇本が 4番手確保で近畿ライン。後は枠なりで、松浦ラインに九州勢で周回。後方の嘉永が上昇する。そこで新山が突っ張るなら、嘉永は下げず、外競り選択か。ここで1番車が生きる近畿勢。古性はすんなり4番手。そこからの捲り。北日本が嘉永の外競りを想定していなければ、この展開になる。しかし想定しているなら、先行一車の利点を活かして、一気のカマシも考えられる。その場合は古性の方が先に引き切るので、古性か松浦の先行もあるが、古性の番手を選択した脇本はそこにいない可能性が高いので、古性は先行しにくい。松浦の先行に乗り古性は捲り狙い。どんな展開になっても古性が一番警戒される選手である。そしてその後ろも狙われる。脇本は付いて行けない。このレースは北日本すんなりでも古性中心のレースです。
車券的推理予想 5-7349-7349 7=9-354
結果 2-1-7 380.5倍(142番人気)
レース経過
前受けは九州勢。そして近畿ライン。その後ろに松浦ライン。そして7番手に北日本ライン。 前受けを選択した嘉永は飛び付きが第一番目の狙いかと思った。対して北日本は後方に陣取った事で、カマシ一本の作戦だったと思う。そして赤板手前から嘉永が後方を警戒。雨バンクであった事で、先行で勝負の気配を感じた。そして打鐘から新山がカマシ先行。嘉永は叩かれ後退。飛び付く素ぶりも無かったので、嘉永は最初から先行の作戦だったと思う。そしてすかさず古性がまくりを放った。番手絶好となった新田とのもがき合い。その展開で松浦が古性を目標に脇本の内から伸びた。狙っていたと思うが、見事に突き抜け優勝。
それぞれのラインが、それぞれの狙いでレースをし、見応えのある決勝でした。松浦は今年に入り苦しんでいました。その中での優勝はこれからのグレード戦に弾みになります。春以降は昨年までの松浦が帰って来るでしょう。
そして今回のシリーズで、今年ここまで不調と見られていた選手達、平原、新山、松浦も含め、きっかけを掴んだシリーズでもありました。その事は多くの若手選手にも言えます。少しマンネリ化していたグレード戦に新しい風も吹くでしょう。
ベテラン有力選手対若手選手。ここから本当の戦いが始まるでしょう。