代謝のピンチから急成長
三森彩桜の成績が右肩上がりだ。今年は初戦の1月立川から6場所連続で決勝に進出。競走得点も大台の50点を超えた。「この点数はキャリアハイです。去年の今頃は47点ぐらいだったので」と三森は照れくさそうに口を開いた。
きっかけとなったのは1年前。当時は自力で戦いたい気持ちはあったが、レースではほとんど出せずにいた。成績も伸び悩み、自力での限界を自分でも認めないといけない時期にさしかかっていた。師匠の小谷田公則に相談すると、「それでいいんじゃない」と答えが返ってきた。これで一気に気が楽になった。7月松戸の予2では5着に敗れたものの、個人上がりは9秒8だった。「今までは自転車をうまく操れていない感じだった。でも松戸では何これ?って感じで、踏んだら進んだ。それから走るのが楽しくなった」。ここから急に歯車がかみ合った。負荷をかけたウエートトレーニングを始めたことで、3・77の競走ギアを使いこなせるようになっていた。続く久留米で、この年初めて決勝進出すると、次の8月静岡ではデビュー初優勝も飾った。
「思い返すと、デビュー当時から頭の中がごちゃごちゃだった。プロフィールの憧れの選手に東口純さんと書いているのに、やりたいこと、やれることが定まっていなかった」
こうなればもう1つ上の目標も立てられそうだが「下を知っている分、大きなことは言えない」。3期連続で47点を割り込み、一時は代謝の危機に陥ったこともあった。三森は今後についても慎重に言葉を選んだ。
「この4年くらい、レースでは『流れを見て』とコメントしている。まずは、その言葉通り走れる選手になりたい。やっと今は楽しくなってきたけど、もう少し安定するように。ベースを作って、もう1段階上げていけたら」。 もっと柔軟にレースの流れに対応する。それができれば理想だった自力も出せるようになるかもしれない。成長を続ける三森の走りに注目したい。