月刊競輪WEB

検索
車券推理の極意 第4回パールカップGⅠ 決勝
解説&分析 2026.06.24

車券推理の極意 第4回パールカップGⅠ 決勝

#レース予想の極意

佐藤水菜一強時代に突入した。誰しもがそう感じるほどのレースぶりである。もちろん、それだけの力があってのことだ。

佐藤が頭角を現し始めた頃は、自身のスピードを生かしたい気持ちが強く、まくり一辺倒の印象があった。だが、たまたま逃がされる展開で逃げ切ったことを機に、一気に進化した。押さえ先行も苦にしなくなったとなれば、まさに鬼に金棒。佐藤に死角はなく、今回も佐藤を脅かす存在は見当たらない。

焦点は次位争い。その候補筆頭は児玉碧衣だった。長らく「児玉対佐藤」の時代があり、佐藤も児玉を意識するあまり、それが落車につながったレースもある。柳原真緒が優勝した2022年のガールズグランプリがそれだ。

そこから形勢は徐々に変化した。児玉がいつしか佐藤対策を意識するようになり、通常開催でも積極的なレースで印象付けを図るなど、早め早めの組み立てを選択する場面が増えた。それは児玉自身の成長にもつながったが、佐藤はさらにその上を行く選手へと成長していった。それが昨年から今年にかけての流れである。

今年に入り、若手の成長もあって、GⅠでは児玉が車群に埋もれるシーンもしばしば見られる。時代の流れではあるが、少し寂しさも感じる。今回の準決勝では、好位から切り替え含みで仕掛けたものの、その外を仲澤春香に押さえ込まれた。仲澤が後方から坂口楓華を詰める勢いで来たこともあるが、あと少しスピードが足りなかった。以前なら1着パターンだっただろう。

そう見ると、決勝の2、3着争いは混沌としている。太田りゆ、久米詩、仲澤春香、吉川美穂らによる争いだ。

今回の太田は、力で佐藤に対抗するというより、好位を狙っての走りが目立つ。一方の久米は、自在戦というよりもマーク戦の様相が強い。それは東の準決勝にも表れており、両者が並走する形でゴールを迎えた。

勝ち上がり段階においては、佐藤の番手は魅力的である。しかし、決勝となれば話は別だ。優勝を狙うなら、佐藤の後ろでは厳しい。2着でよしとするのか、それとも優勝を狙うのか。優勝を狙うなら、佐藤を後方に置いて先まくりを打つしかない。それでも厳しいことに変わりはないが、後続がもつれればチャンスは生まれる。

どちらを選択するかは、その選手の考え方や性格による。ただ、太田が今後さまざまな戦法で戦っていくことを考えているなら、今はその戦法を確立する時期なのかもしれない。その意味では、佐藤の番手を狙う選択も十分にあり得る。

展開予想
スタートは、誰も出なければ佐藤が出る。もしくは外枠の尾崎睦か。太田はインを切って、仲澤を迎え入れての番手まくりも考えられる。久米が佐藤の後ろを選択するなら、吉川美穂は仲澤を追う形になるだろう。
太田がインを切っていると、番手争いもあり得る。児玉はその後ろあたりに位置する想定だったが、決勝は欠場となった。引いた佐藤が、それを横目に一気に行くか。そうなれば前団の思惑をすべて消せる。まくり狙いなら、大外まくりになる。

車券的推理予想   1-2356-2356

結果
2車単 1-2 370円(3番人気)
3連単 1-2-3 1,140円(5番人気)

レース経過

スタートは牽制気味の中、仲澤が前を取った。その後ろは佐藤と久米が並走したが、佐藤が下げる。久米が仲澤の後ろを選択したのは予想外だった。

佐藤の後ろが吉川、続いて太田、尾崎で周回。3番手の佐藤が後方を警戒し、車間を空ける。太田は動けなかったのか、動くタイミングを遅らせ過ぎたのか。やや牽制状態となる中、後方の尾崎が内を突いて久米の後ろへ入った。これは仲澤にとってプラス材料となった。

そして仲澤が仕掛けて先行態勢。仕掛けはやや遅めだった。4番手の佐藤が2コーナー手前からまくり勝負。仲澤の先行が遅めだったため、加速中に佐藤が仕掛けた形となり、一瞬伸び切らないように見えた。スピードに乗ったのはバック付近からだった。

佐藤の後ろにいた吉川は離れ、先行した仲澤が佐藤を追う形になる。仲澤にも後掛かりがあり2着に粘った。佐藤は危なげなく抜け出し、GⅠ7開催連続制覇を達成した。

佐藤がここでも圧勝。今後注目されるのは、GⅠ連続制覇記録がどこまで伸びるかだ。当分この流れは続くだろう。今後破られることのない、不滅の記録となる可能性もある。

ガールズケイリンのレベルが上がれば上がるほど、この記録は破られにくくなる。これから先、ガールズ全体のレベルはさらに上がっていくだろう。佐藤のような選手、あるいは佐藤に迫る選手が複数出てくるはずだ。そうなれば、仮に佐藤より強い選手が現れたとしても、タイトルを独占し続けることは難しくなる。

ただ群雄割拠の時代が訪れるのは、もう少し先になりそうだ。

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE

related articles