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第95回全日本自転車競技選手権大会トラック・レースレポート
自転車競技 2026.06.24

第95回全日本自転車競技選手権大会トラック・レースレポート

#自転車競技

佐藤水菜がスプリント・ケイリン二冠達成
太田海也、中野慎詞ら日本代表勢が存在感
若手の台頭も光った4日間

トラック種目の日本チャンピオンを決める第95回全日本自転車競技選手権大会トラック・レースが、6月12日から15日までの4日間にわたり伊豆ベロドロームで開催された。今年は高松宮記念杯競輪直前という日程での開催となり、例年に比べて競輪選手の出場はやや少ない印象だった。しかし、日本代表選手を中心に国内トップクラスの選手たちが集結し、各種目で熱戦を展開。世界で活躍するトップ選手たちの強さはもちろん、市田龍生都、三神遼矢、中石湊、高橋奏多ら若手選手の成長も際立ち、今後の競輪界・自転車競技界を占う上でも非常に収穫の多い大会となった。

男女チームパーシュートでHPCJC-BSがアベック優勝

大会初日は団体種目からスタートした。

男子チームパーシュートでは、兒島直樹を擁するHPCJC-BSが3分55秒731をマークして優勝。窪木一茂を擁するRadical Aero Clubを抑えて日本一に輝いた。

女子チームパーシュートは出走1チームながら、内野艶和、垣田真穂、池田瑞紀、水谷彩奈で構成されたHPCJC-BSが4分22秒717の大会新記録を樹立。男女アベック優勝を達成し、チーム力の高さを示した。

男子エリミネーションでは窪木一茂が安定したレース運びを見せて連覇を達成。終盤まで冷静に位置を確保しながらレースを進め、最後は地力の違いを見せつけた。

太田海也が男子スプリント連覇

2日目最大の注目は男女スプリントだった。

男子スプリント決勝は、予選1位の太田海也と予選2位の中野慎詞による日本代表対決。世界選手権やネーションズカップでも活躍する両者によるハイレベルな戦いとなったが、太田がストレートで勝利。圧倒的なスピードを見せつけ、2年連続3度目の全日本王者に輝いた。

3位には市田龍生都、4位には三神遼矢が入り、若手勢も存在感を発揮。特に市田は随所で鋭い加速を見せ、将来性の高さを印象付けた。

女子スプリントでは佐藤水菜が圧巻だった。

予選で大会新記録となる10秒423を叩き出すと、決勝では仲澤春香を相手にストレート勝ち。5連覇という偉業を達成した。パリ五輪での活躍以降も進化を続ける佐藤の強さが際立つ内容だった。

梶原悠未と内野艶和の名勝負

女子オムニアムでは梶原悠未と内野艶和による一騎打ちが展開された。

スクラッチ、テンポレース、エリミネーションと続く中で両者は一歩も譲らず、勝負は最終ポイントレースへ。最後は梶原が151ポイントで優勝し、内野は146ポイントで惜しくも2位となった。

わずか5ポイント差という接戦は、日本女子中距離界を代表する二人の実力が、いかに拮抗しているかを物語る結果となった。

中野慎詞が4年ぶりケイリン王者

大会3日目の男子ケイリンは若手の勢いが目立った。

決勝では中石湊が積極的に主導権を握る展開。残り2周から先行した中石の番手を確保した中野慎詞が、最終バックで抜け出し優勝した。

2着には三神遼矢、3着には中石湊が入り、表彰台のうち2人を127期以降の若手が占める結果となった。

中野にとっては4年ぶり2度目の全日本タイトル。スプリントでは太田に敗れたものの、ケイリンでしっかりと王座を奪還し、日本トップクラスの実力を改めて証明した。

佐藤水菜が女子短距離二冠

女子ケイリンも佐藤水菜が主役だった。

仲澤春香が積極的に先行する展開となったが、佐藤は落ち着いてレースを運び、最終バックから一気に加速。力強く捲り切って優勝した。

2着には酒井亜樹、3着には仲澤春香が入り、山田南も4着と健闘した。

これで佐藤はスプリントとの二冠を達成。国内女子短距離界において、その強さはまさに別格と言えるものだった。

窪木一茂がオムニアム王座奪還

男子オムニアムでは窪木一茂が総合力の高さを見せた。

3種目終了時点で首位に立つと、最終ポイントレースでも冷静なレース運びを披露。橋本英也ら実力者を抑えて優勝した。

ロードレースとトラックの両方で世界レベルの経験を積んできた窪木らしい勝利であり、4年ぶりのタイトル奪還となった。

市田龍生都が1kmTT制覇

最終日はタイムトライアル種目でも若手が躍動した。

男子1kmタイムトライアルでは市田龍生都が1分00秒133をマークして優勝。大会記録にも迫る好タイムで、2年ぶり3度目のタイトルを獲得した。

2位には窪木一茂が入り、短距離専門選手が並ぶ中で1分02秒327という好タイムを記録。改めてその万能ぶりを示した。

市田はスプリント3位に続くタイトル獲得となり、短距離界を担う存在として大きな期待を集めている。

女子1kmTTで歴史的快挙

今大会最大級のトピックとなったのが女子1kmタイムトライアルだった。

優勝した梶原悠未が1分08秒579で日本新記録を樹立。さらに2位の垣田真穂が1分09秒485、3位の内野艶和が1分09秒626を記録し、表彰台に上がった3選手全員が従来の日本記録を更新する快挙を達成した。

女子中距離界全体のレベルアップを象徴するレースとなり、世界との距離が着実に縮まっていることを印象付けた。

内野艶和が中距離界の主役に

女子4km個人パーシュートでは内野艶和が連覇を達成。

決勝では梶原悠未を追い抜き勝ちで下し、王者の貫禄を示した。

さらに女子ポイントレースでも優勝を飾り、大会を通じて複数タイトルを獲得。オムニアムこそ惜しくも2位だったが、中距離種目全体では最も存在感を示した選手の一人だった。

兒島直樹がポイントレース5連覇

大会最終盤の男子ポイントレースでは兒島直樹が圧巻の走りを見せた。

83ポイントを獲得し、2位以下を大きく引き離して優勝。この種目では前人未到の5連覇を達成した。

持久力、戦術眼、勝負勘を兼ね備えた兒島の強さは群を抜いており、日本中距離界を代表する存在として改めてその地位を確立した。

世界への挑戦、そして競輪界の未来へ

パリ五輪後初の全日本選手権となった今大会。

太田海也、中野慎詞、佐藤水菜、窪木一茂、梶原悠未、内野艶和ら日本代表クラスの強さが際立った一方で、市田龍生都、三神遼矢、中石湊、高橋奏多ら若手の成長も大きな収穫となった。

世界を舞台に戦うトップアスリートたちと、その背中を追う新世代。日本トラック界の現在地と未来を同時に感じさせる4日間だった。

世界選手権、アジア大会、そしてロサンゼルス五輪へ向けて、日本トラック界の挑戦は続いていく。

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