脇本勇希が、今年最初の記念競輪となった立川記念制覇に続き、宇都宮記念でも復調の兆しを示した。
一次予選は打鐘過ぎ2センターから主導権を握ると、そのまま力強く逃げ切り勝ち。続く二次予選でも北井佑季や菅田壱道といった実力者を相手に果敢な先行策を敢行した。浅井康太を“ハコ3”にするほどの力強い踏み直しを見せ、文句なしの連続逃げ切りで準決勝進出を決めた。
「ほぼ毎年なんですけど、今年も春先は花粉にやられてしまい、呼吸がきつかったり外での練習が不足してしまった。それもあって立川記念のあとは結果が伴わなかったんですけど、ようやくそれがなくなって上向いてきた。(宇都宮の4日間は)久々に良かったと思います」
体調面の回復によって練習量を確保できるようになったことが、好走の要因だったようだ。
さらに宇都宮では、使い慣れたシューズへ戻したこともプラスに働いた。実は立川記念、そして宇都宮記念の直前開催では、あえて新たなシューズを試していたという。
「佐世保記念と武雄の全プロ競輪は、普段とは全然違うシューズで走りました。これを使いこなせるようになりたかったので、多少成績が下がるのは覚悟していたんですけど、結果が伴わなかったので……(苦笑)」
従来のシューズはハイペースを維持しやすく、自身の先行スタイルとの相性が抜群。しかし脇本はさらに高いレベルを見据えている。
「このシューズだと、GIクラスのスピード域では回転が追い付かないと思う。だからこそ今使っているシューズも何とか使いこなせるようになりたいんです」
その理由は明確だ。
「菊池岳仁選手や石原颯選手のように、GI戦線でも主導権を握れる先行選手になりたい。そのためには脚力だけでなく、より高いスピード域への対応も必要だと思っています」
試行錯誤を繰り返しながら、さらなる高みを目指す脇本。
「うまく使い分けができるようになれば、もっと上を目指せると思うので、もう少し粘ってみます(笑)」
結果だけを追うのではなく、将来を見据えて挑戦を続ける27歳。その向上心こそが脇本最大の武器なのかもしれない。新たなシューズを自在に操れるようになった時、GI戦線で存在感を放つ先行選手へと大きく飛躍する可能性を秘めている。