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ガールズグランプリ2025展望
レース展望 2025.12.03

ガールズグランプリ2025展望

#グレードレース展望

ガールズグランプリ2025が平塚競輪場におけるKEIRINグランプリシリーズの2日目、11Rに実施される。今年はGI 4大会のすべてを佐藤水菜が制覇しているので、佐藤を除いた6名は競輪祭女子王座戦時点での獲得賞金学上位者の出場となる。もちろん佐藤が不動の大本命だが、昨年のガールズグランプリのように佐藤が敗れて新たな女王誕生となるのかどうかが一番の見どころだ。

佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は今年4大会のGIすべてを制覇と向かうところ敵なしの状態で、8月の女子オールスター競輪の優勝によってグランドスラムとグランプリスラムを同時達成しているが、このままいけば年間のグランプリスムの達成も現実味を帯びてきた。しかし、昨年のガールズグランプリでは捲り届かずの2着に敗れており、今年も冬場の重いバンクに苦しめられる可能性はないとはいえない。それならばレースの流れをじっくり見極めてからの捲りではなく、一気に主導権を取りきっての逃げ切りを狙ってくることも十分に考えられるだろう。

児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は3年連続で地元開催の競輪祭女子王座戦で優出を逃してしまった。4月のオールガールズクラッシックでは準優勝、8月の女子オールスター競輪では決勝6着、11月まで優勝回数が18回と昨年の年間優勝回数の13回を上回っており着実に復調しているのは確かなのだが、競輪祭女子王座戦は地元戦だけになんとかしなければという焦りが足枷になっていた印象だ。年末までの1カ月で完全復活は難しいのが現状だが、難敵の佐藤水菜を過度に意識しすぎず、冷静に自分のタイミングで仕掛けていけば逆転も決して不可能ではないだろう。

久米詩 静岡 116期
久米詩は2年ぶり2度目のガールズグランプリ出場を決めた。4月のオールガールズクラッシックは準決敗退、6月のパールカップは予選で失格となったが、8月の女子オールスター競輪は準優勝と健闘している。11月の競輪祭女子王座戦も準決で敗れたが、予選は仲澤春香の捲りをぴったり追走して2着、3日目特選は逃げる尾方真生を追走しての差し切りで1着とレースの流れを読んでの位置取りはさすがである。11月までの優勝回数が14回と好調をキープしており、ガールズグランプリでも勝てる位置を取っての仕掛けで優勝を目指す。

梅川風子 東京 112期
梅川風子はガールズグランプリ2年ぶり5度目の出場となる。今年は8月の女子オールスター競輪の準決で落車したが、4月のオールガールズクラッシックと6月のパールカップで優出している。11月の競輪祭女子王座戦も予選は逃げ切り、準決も逃げ切り。決勝は前で4人落車のアクシデントがあり、それを避けるために脚を使わざるを得なかったが、最終バックから立て直すと逃げる佐藤水菜に4分の1車輪差まで詰め寄っての準優勝で個人上がりタイムは11秒7をマークしている。今回も打倒佐藤水菜の一番手はやはり梅川だろう。

尾崎睦 神奈川 108期
尾崎睦は2年連続5度目の出場となる。もっといえばホームバンクの平塚でのガールズグランプリに出場できるのは2017年以来なのだから、おのずと意気が上がるだろう。今年は6月のパールカップは3日間オール2着で準優勝と存在感を示した。11月の競輪祭女子王座戦も予選は梅川風子の逃げをぴったりマークして2着、準決は梅川の仕掛けには離れてしまったが懸命に踏み込んでぎりぎりの4着で優出を果たした。決勝で落車したのはやや気になるが、今回までにしっかり立て直して地元ファンの声援に応える走りを見せてくれるだろう。

坂口楓華 愛知 112期
坂口楓華は3年連続4度目の出場となる。昨年のガールズグランプリでは打鐘から仕掛けて主導権を握り、自身は4着だったが、坂口を追った石井寛子が優勝、佐藤水菜を捲り届かずの2着に終わらせた素晴らしい走りを見せた。今年のGIでは準決敗退が続いてしまったが、11月の競輪祭女子王座戦の予選では前に出たところを佐藤水菜に叩かれながらも粘って3着、準決は佐藤水菜の捲りを追いかけての3着で優出を果たした。決勝での落車の影響が気になるが、今年も昨年同様の素晴らしいパフォーマンスをきっと披露してくれるだろう。

山原さくら 山口 104期
山原さくらは3年ぶり6度目の出場となる。山原は昨年10月に最適な練習環境を求めて高知支部から山口支部へ移籍しているが、ガールズグランプリ出場が決まったときに現在の練習仲間である防府の人たちに恩返しができたと喜んでいたのが印象的だった。今年はGIでの優出は叶わなかったが、11月までの優勝は10回と年間を通して好調を維持してきた。競輪祭女子王座戦では勝ち星はなかったが連日積極的に仕掛けており、結果を恐れぬ度胸満点の走りも健在で、今回も山原の積極的な仕掛けが波乱の展開を呼び込むかもしれない。


プレイバック
坂口楓華のカマシに乗った石井寛子が2度目の優勝

佐藤水菜、尾崎睦、尾方真生、児玉碧衣、石井貴子、坂口楓華、石井寛子の並びで周回を重ねる。序盤で坂口が少し動く気配を見せたが、結局は初手の隊列のまま赤板過ぎまで誰も動かず一列棒状の状態が続く。打鐘となり誘導員が退避してもスローペースのまま佐藤が先頭となるが、4コーナーから坂口が一気にカマし、石井寛子も乗っていく。最終ホームで坂口が並びかけると佐藤も合わせて踏み込むが、坂口のスピードがよく、佐藤は坂口を出させて3番手に入り、その後ろは尾崎、1車上げた児玉、尾方、石井貴子の順で通過していく。児玉はバック手前から捲ってくが、3コーナーで佐藤に合わされて後退、佐藤はそのまま懸命に前を追うが伸びはいまいちで、最後の直線に入って坂口の番手から抜け出した石井寛子が先頭でゴールイン、捲り届かずの佐藤が2着、尾崎が3着に入る。

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