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車券推理の極意 競輪祭2025「決勝」
解説&分析 2025.11.26

車券推理の極意 競輪祭2025「決勝」

#レース予想の極意

例年の事ではありますが、競輪祭はタイトルとは別にグランプリシートが決まる一戦です。タイトルに重きを置くか、グランプリシートに重きを置くかは、その選手の置かれている立場によって異なりますが、選手個々の考えもあります。タイトルホルダーは永遠ですが、グランプリ選手は一年です。そしてグランプリでの自身の位置を良くするための走りをする選手もいます。それはラインの選手を引き出しグランプリに乗せる走りになります。純粋にタイトルを目指す選手は、既にグランプリを決めている選手で、尚且つ既にグランプリでラインが構築されている選手になります。グランプリシートは今年のタイトルホルダーと、古性優作、眞杉匠、郡司浩平までが確定です。今年はどんなドラマが繰り広げられるのでしょうか。

迎えた一次予選は、今年もトライアル2走です。初日、太田海也、中野慎司、郡司、犬伏湧也の上位陣はいつも通りの力を示しました。そして松本貴治はいつも以上に積極的に先行で逃げ切り。
更に眞杉のマーク戦だった鈴木玄人は連結を離しました。しかしそれが鈴木の出来の良さを引き出した結果です。関東両者がアピールしたレースでした。最終レースの古性優作は少し引き気味での組み立てで失敗した様に感じ、この所の流れのままでした。不安の残る一戦。

2日目は山口拳矢が位置を取ってのまくり。そして一次予選2走目も郡司、犬伏、眞杉は安定のレース内容でした。この日の最終レース、古性はこの日も勝ち上がりはしましたが、不安の残るレース内容でした。

3日目は印象に残る選手は存在せず終了。新山響平が二次予選ボーダーラインを下回っていたが、今年はボーダーラインが下がりギリギリ勝ち上がった。

4日目二次予選B。その新山が突っ張りからの変化技で準決勝へ。しかしここ最近の状態のままである。良くは感じず。二次予選Aはここでも松本が先行でクリア。3走全て先行。しかも果敢な走りであり、気迫を感じた。そして注目の古性は中野の番手を取りそのまま4コーナー勝負かと思いきや、中野のスピードが良くないと判断するやいなや内を進みまくる。流石古性と言ったレースでした。

5日目準決勝は潰し合いの様相の各組み合わせ。10Rは新山対犬伏。犬伏が打鐘で新山を叩き先行。新山は二次予選同様の作戦に出た。しかし南修二が追い上げ万事窮す。4コーナーからは出来の良い選手が伸びた。犬伏は粘れず4着。この時点で新山、犬伏のグランプリ出場は絶たれた。11Rは太田対松井宏佑。それを捲る山口、嘉永の様相かと思えたが、松井の番手と思われた郡司が神奈川ラインの先頭。これで太田の先行一車かに思えた。しかし郡司が太田を叩き先行。太田は郡司の先行を考えていなかったと思います。そのためあっさり叩かれました。そして3コーナーから松井が番手まくり。12Rは古性と眞杉が同乗。古性がペースでレースを進め、2コーナー捲りで決着。眞杉はその3番手となり吉田拓矢とゴール勝負で破れた。

決勝メンバーは本格先行不在。ここまでの走りを考えると松本が先行か。しかし松本はグランプリシート争い。更にタイトルを狙える状況でもある。その番手は荒井崇博でやりにくい事もある。すでにグランプリを決めていて、ラインも確定している吉田が先行か。古性は同じ状況だが、今年ノンタイトルである。その事から考え先行は吉田か。

展開予想

誰も出ないなら古性が前受け。後は枠なり。吉田はカマシ選択なら前受けもある。その状況で、松井が上昇するが先行は頭にない。そこに松本が上昇し先行態勢。一旦引いた吉田がカマす。何にしても本格的に仕掛けるのは遅い。その時に古性は松本の番手を取っていると思う。そうすれば松本の先行はなくても3番手までにはいるので、古性にも充分チャンスはある。松本の番手基本で、先行吉田の3番手にいたい。位置を争うなら番手だろう。仕掛けが遅くなるので前で決まるレースである。

車券的推理予想
1-4-9756 1=9-4256 5=6-179

結果
6-2-3 3,509.9(504番人気)

レース経過

スタートは荒井が取り松本が前受け。阿部がその後ろを取り吉田3番手。少し古性は失敗したかの様に見え5番手。そして松井ラインで山田英明で周回。まず後方の松井が動き、その上を吉田が切る。そこに古性が追走。そして松本が一気にホームでカマす。3番手に吉田が入り、5番手古性。古性が2コーナーから仕掛けるが、出ず。そのタイミングで吉田も仕掛ける。そして番手の3コーナーで番手まくり。その後ろが大混戦になり4コーナーを迎え、一番良い位置にいた阿部が抜け出し優勝で決着。

このメンバーでの本格的な先行が本来は松井であります。にもかかわらず、松井は動かず。その時点で勝利の女神は微笑まない。グランプリ争いの渦中にいた松本は、果敢に先行。グランプリの権利は逃したが、来年必ず微笑む内容である。勝った阿部はワンチャンスをしっかりものにした。今シリーズは単騎のレースが多く、それが勝ち上がりに結びついた。そして優勝でグランプリシートを手に入れた。そして504番人気です。504番人気を初めて見ましたが、この競輪祭の決勝で見るとは思いませんでした。そして今シリーズは凄く見応えのある中身が満載の競輪祭でもありました。

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