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直送!競輪場便りfrom小田原競輪場 塚本大樹(熊本96期)
インタビュー 2025.11.19

直送!競輪場便りfrom小田原競輪場 塚本大樹(熊本96期)

#競輪場便り

競輪に専念した多才レーサー 

 秀でた才能に努力が加わって、ついに競走得点は大台の110点を突破した。

 祖父、父、伯父をはじめ、親族には多くの元選手の名前がずらりと並ぶ競輪一家で育った。センスの高さには定評があり、すぐにS級へ上がるのではと目されていた。

 ところがデビュー後はA級生活が長く続いた。実は、人気飲食店を数店舗経営するなど、競輪以外の才覚にも恵まれていたため〝競輪一筋〟の生活をしていなかったのが原因だった。

「あの時は…(苦笑)。一言でいえば完全に練習不足でした。それでも収入は結構ありましたし(笑)」と今となっては反省しているものの、当時は競輪に打ち込んでいるとはいえない状態だった。

 ただ「このままじゃダメだと思って」と一念発起。経営していた店舗も手放して「競輪に専念しました」と競輪一本で戦っていく覚悟を決めた。

 するとみるみる成績も上昇。あっという間にS級1班まで駆け上がり、GⅠ出場、S級優勝、GⅢでの複数回優出など、本気を出した天才は一気にトップレーサーの仲間入りを果たした。

 飲み会などの場は今でも大好きで「しょっちゅう二日酔い(笑)」と若かりし頃と変わらない面もあるが、それでも「どんなに二日酔いでも毎日、ノルマの練習だけはやるようにしています」とサボることはなくなった。

「地元のGⅠに絶対出たいし、そのためにも頑張っている」と目標に掲げていた、来年2月の全日本選抜競輪の出場も濃厚だ。

「上位と戦うことも増えてきて、少しずつ経験も積めている。ここまできたら地元のGⅠで活躍したいし、なにより後輩の(嘉永)泰斗のGⅠ優勝も大きな刺激になった。

 実は努力する才能にも恵まれていたスーパーマルチプレイヤーが、来年の大一番をベストの状態で迎えるために、さらなる鍛錬を重ねていく。

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