1月名古屋以来のVを決めた花田将司。喜色満面の中、話を聞いてみた。「本当に嬉しいです。今回は3日間、南儀拓海君と一緒のレース、それも味方2回と敵1回という不思議な感じでした」。初日特選で花田が目標にしたのは南儀。「メンバーを見て小野(裕次)君が南儀君に行けると言ってくれて」面識もなく初めて姿を見て言葉を交わした南儀だが、気持ちが伝わってきた。
初連携でも他地区でも関係なし、自分のスタイルを貫き通すのが南儀だ。スタートを決めて突っ張り先行。花田もまくってきた磯川勝裕をけん制し、番手の仕事はキッチリした。「4角を回って抜ける感触はあったんですが、抜けなかった。ただただ、南儀君が強かった」。
準決は南関の新鋭である丸山留依と連携したが、途中で連結が外れてしまい、さらに丸山が落車。難を逃れた花田が4角から踏み出し、逃げた南儀を捕らえた。迎えた優勝戦は、初日特選同様に南儀の後ろを回る組み合わせ。「初日特選の時はどういうレースをするのか特徴が分かっていなかったけど、2回目はそれが分かっていたので精神的に楽でした」。南儀が別線を一度も出させない先行。花田の横までもまくってくる選手はいない中、余裕の差しきりで見事優勝を飾った。「南儀君は恐ろしい強さでした。今回は連携できたけど、別で戦う方が多いはず。敵として見た場合、凄く脅威になります。それだけ強かったです」と優勝の感激と共に南儀を評した。1月以来の優勝だが、その1月下旬のレース中に落車して左鎖骨を骨折してしまった。その後は「勝ち上がることはできるけど、優勝まで届かない」もどかしい時間が流れた。それだけに感激は大きかった。
最近は自転車に乗る比率を少し下げ、ジムでの肉体強化に力を入れていると言う。「レッグプレスですかね。下半身をもう一度鍛え直しています」とトレーニングメニューを変えながら上を目指している。今年中には、鎖骨に入っているプレートを除去する手術を受ける予定だ。下半身強化の効果も徐々に出始めている。この優勝をきっかけにさらなる高みを狙っていく。