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車券推理の極意  寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント 2025前橋「決勝」
解説&分析 2025.10.29

車券推理の極意  寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント 2025前橋「決勝」

#レース予想の極意

今年は前橋での開催。昨年までは弥彦で対照的なバンクではありますが、漁夫の利が多いバンクと感じます。弥彦は直線が長いので位置にそこまでこだわらない。その事で単騎の力の無い選手でも権利のある位置を回りやすい。前橋は周長335mで先行争いが激しく、脚を貯めている選手がまくりやすくなるケースが多いバンク。今回に当てはめれば、河端朋之や伊藤旭がそこに当てはまります。河端に限って言えば、親王牌は今回を含め3年連続決勝に乗っています。他の選手から言えば作戦に入れてない選手ではあります。しかしその巡って来たチャンスを生かすには、力が無いと無理です。

それとは別に前橋バンクは無欲の先行選手が主導権を取って逃げ粘り、スター候補として注目されやすい事が多いです。過去には中村美千隆がそのままの勢いで決勝まで勝ち進み、その後も活躍しました。今回では塩島嵩一朗になるのかも知れません。今後どのようなレースを見せてくれるのかも楽しみになりました。

シリーズの方は初日理事長杯から脇本雄太が調子の良さを感じさせるまくり。

今開催は脇本のシリーズと感じさせたほどです。

そして迎えた準決勝10R。深谷知広、眞杉匠、嘉永泰斗、河端にそれぞれラインが出来、山口拳矢が単騎のレース。嘉永が前受けからで上昇した深谷を突っ張り中団取りの動き。そこに山口が追い上げ、山口が3番手。そして最終ホームで脚を貯めていた河端がまくる。この時、眞杉の先行で番手が吉田拓矢。眞杉の蛇行もあり吉田は位置が難しい事もありましたが、番手捌きより自身の着位を優先した形になっていました。上手い選手なら止めていたかも知れません。もしくは河端を行かせて眞杉を迎え入れたでしょう。

11Rは脇本がまさかの欠場。これで一気に犬伏湧也の優位になり、結果もそうなりました。

12Rは、動ける新山響平、寺崎浩平、松井宏佑ラインが出来、そして松本貴治にもラインが出来、自在戦。別に南関ラインの構成に疑問を感じました。ラインの基本は同県ラインがあり、地区ラインです。ただそれを超える過去の事があるなら、変則ラインも有りです。しかしそうは感じません。全ては松谷秀幸の選択と思います。松井の後ろに根田空史を入れる理由は何かです。普段お世話になっているからなのかも知れません。それも少しは有りですが、その場合番手を回る自力選手は普段から、その準備をしている選手に限ります。そしてレースでは簡単に位置を開け渡す結果。松井の先行は無意味となりました。松本は位置を取り早めにまくって決着。そして古性優作が松谷を押し込み3着でクリアした準決勝でした。

決勝は犬伏の先行一車。吉田に恩田淳平の関東ライン。清水裕友、河端の中国ライン。そして古性と嘉永がそれぞれ単騎の一戦です。犬伏ラインは徳島師弟の間に松本が入りました。これは誰もが理解出来るでしょう。まず清水は番手を狙う事はない。そして古性も余程条件が揃わない限り位置は狙わないと感じる。その点、吉田は位置をねらいやすい立場です。四国勢が圧倒的に有利な決勝メンバーとなりました。

展開予想

前受けは関東ライン。古性が続き中国ライン。そして四国ライン、嘉永で周回。ただ先行一車なので犬伏の前受けもある。吉田が前受けで清水が動かないなら、単騎は動かないので犬伏が上昇し吉田のイン粘りになる。それなら清水もまくりやすい。すんなり犬伏に掛けさせて、それに脚を遣わす4番手を取ってもまくれない。しかし吉田がイン粘りする保証はないが、普通に考えたら引いたら4番手を取れてもまくれないと考える。すんなりなら、松本。遅めのカマシなら犬伏も…混戦なら一発ある嘉永と考える。

車券的推理予想

7=9-214 7=5-914 2-6=1935 5-791324-791324

結果 5-7-1 151倍(33番人気)

レース経過

スタートは松本が取り四国ラインが前受け。そして1番車の古性が4番手。その後ろが中国ラインで関東勢。最後方に嘉永で周回。まずラインで後方の吉田が犬伏を押さえに行く。この時、犬伏は誘導員と車間を切ったので突っ張りもあるのかと思った。なぜなら犬伏がそのまま下げれば誘導が残り吉田が楽になる。下げるなら誘導を切るべきであり、吉田もスピードを維持するのに脚を遣い、犬伏はカマシやすくなったはずである。犬伏は準決勝同様にタイミングを計ってのカマシ狙いであったが、吉田には余裕があり先行を選択した。そしてその時に3番手にいた嘉永が2コーナーから仕掛ける。その嘉永があっさりまくって優勝。

犬伏は先行一車で立ち回りに隙が出来ました。しっかり誘導の事も考えていれば違った結果だったと思います。その他の選手にとっても意外な展開に感じたと思います。最終ホームでは嘉永か古性のどちらかの展開になりました。その嘉永には労せず巡って来たチャンス。それをしっかりものにし、タイトルホルダーの仲間入りを果たしました。次はライン先頭での優勝が求められます。更なる飛躍を期待したいです。

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