元々はラガーマン。京都成章高校から法政大学へと進み、楕円球を追い続けた。だが、大学卒業を控える頃には、社会人からの誘いはなく、進路に迷っていたという。そんな時、父のひと言がきっかけとなった。
「競輪なんて知らなかったし、父も競輪好きというわけではなかった。知り合いの知り合いに選手がいる程度でした。でも、賞金を見て“これは良いな”と(笑)。適性試験を受けて一発で合格できたんです」
125期で養成所に入所。同期にはすでにS級で活躍する中石湊、山崎歩夢、阿部英斗、小川三士郎、栗山和樹、小堀敢太、塩島嵩一朗、福田稔希、森田一郎、谷内健太ら10人がいる。中でもナショナルチームの中石や“山崎ジュニア”こと歩夢は、すでにS級優勝歴を持つ。
「S級特進はどうでしょうか。来期からはS級で走れると思うんで、そこからですね。勢いがあった頃に比べると少し落ちているけど、合宿ではタイムも出ている。多分、メンタルの部分だと思います」
練習は主に地元バンクで行う。
「朝8時ごろからベテランの中澤さん達が動き始めて、その後、僕は9時にバンク入りして中釜章成さん達と一緒にやります。中釜さんの練習の真面目さは本当に半端じゃない。もちろん、古性優作さんもいるし、出稽古中の阿部力也さんもいる。埼玉の笠松将太さんは、古性さんと仲が良い先輩だけど、良いキャラしてますね(笑)」
プライベートでは、ガールズケイリンの吉田りんご選手と結婚。家庭の支えも力に変えながら、未来の近畿の大砲として成長を誓う。
ラグビー仕込みの「オール・フォー・ワン」の精神を胸に、ラインの絆を大切にしながらS級の頂点を目指す。
~玉野競輪場から。