月刊競輪WEB

検索
車券推理の極意 福井 共同通信社杯競輪2025「決勝」
解説&分析 2025.09.17

車券推理の極意 福井 共同通信社杯競輪2025「決勝」

#レース予想の極意

福井での開催。まずここはバンクが非常に軽い。その事で自力選手は積極的に動けます。逆に重いバンクでは勝たなければいけない本命どころの選手が、ちゅうちょする事があります。それはゴールまでもつか不安が過ぎるからです。そして伏兵の仕掛けで混戦になり本命が敗退する事が起こるわけです。その事を考えると今回はレースが活性化し、見どころの多いシリーズと予想します。そして共同通信社杯競輪は二次予選までが自動番組。昨今のレースは単騎戦が増えた事、そして流動的である。競輪はゴールに近い位置にいる選手が圧倒的に有利。流れに乗れば脚を遣わず位置が取れる場合もある。流れを変えてでも位置を取る選手は少ない。ただ一流は脚を遣って流れを変えて位置を作ります。自動番組ではその能力が必要です。軽くて動きやすいバンクで、上位以外からそんな選手が現れる事を期待したいです。

2日目までを終えシリーズリーダーはやはり地元の脇本雄太です。深谷知広の仕上がりも良く連日好気配ですが、それを上回った脇本です。しかし堅実に早めに動いている寺崎浩平。こちらも地元戦であり、先のオールスターでタイトルホルダーの仲間入りを果たし、レースっぷりが一皮むけた感じが漂っています。1着より積極的に動き確実に勝ち上がる事を優先しているように感じます。

そして迎えた準決勝。10Rは嘉永泰斗がインを切り、寺崎の打鐘先行。タイミングはどちらも良かったが、寺崎の垢抜けた、けれん味ない判断と走りが目を惹きました。やはり格が上がった感じです。

11Rは古性優作が常に勝負圏に位置し自力。太田海也にはまくられたが、立ち回りの良さは完調が近いと感じます。結果には繋がりませんでしたが、森田優弥の強気の攻めも光りました。

そして12Rは福永大智が突っ張り先行。その中で中野慎詞が一気に福永を叩きました。そして脇本を含め混戦になりました。その展開ならやはり深谷の出番です。脇本は予期していなかったか、対応出来ず残念な結果になりました。

勝ち上がったメンバーは近畿5車。他は全て単騎です。近畿が分かれるのは不可能。一番強い先行に一番強い番手。それは当然であります。そこに大阪の同県で実績ある南修二。三谷将太は他に行けるが、近畿の自力選手ありきで今の成績であり4番手。小森貴大は寺崎と同県でラインを外せないと考えたか。唯一あるのは同県主張だが、小森も位置を作ってここまで来たわけでないので5番手。もし仮に三谷と小森が別線番手を主張しても他の近畿勢はとがめなかっただろう。結果先行一車となり寺崎は早めに仕掛ける必要はない状況。ただ前にいる必要はある。単騎のカマシに対応するためであり、利用するためにです。その単騎は太田か。寺崎がいったん引くならイン粘りもありますが、それも考えにくいです。それは嘉永か。

展開予想

スタートは近畿ライン。近畿が取れば単騎の選手は動き辛い。そうなれば寺崎の早めではあるがすんなり先行。単騎の選手の巻き返しが早いのであれば古性が出る可能性もある。それなら南が優勝。寺崎が突っ張る必要もないので下げるなら単騎のイン粘り。それは器用な嘉永と考えられるが、番手古性で南が続く。そこに粘るならそれはそれで立派であるが、優勝は遠のく。あとは太田である。先のオールスター決勝でも失敗しているだけに、思い切って自力が出せるかである。単騎カマシなら寺崎が番手にハマり寺崎の優勝もある。何にしても近畿勢が圧倒的に有利である。

車券的推理予想 1=3-97 1=9-37 9=7-15

結果 9-3-4 662.8倍(147番人気)

レース経過

スタートは古性が取り近畿ラインが前受け。そして太田、野田、深谷、嘉永の位置で周回。赤板手前から深谷が上昇。そこに嘉永も続く。深谷も踏み込んだが寺崎がしっかり合わせた。

そして近畿が完全にレースを支配していく。6番手を確保した太田がホーム手前から仕掛けた。いいスピードであり2コーナー出口で外が伸びるところであったが古性がしっかり止める。しかし太田が踏み直し、古性が捌くが太田が落車。古性も外に浮いたため南が一気に突き抜け優勝した。

南もこれでグランプリが大きく近付きました。ここまで南は縁の下のって感じがありましたが、脚や技術は堅実な力強さは持っていた。それがチャンスを逃さずこの優勝につながったと思います。そして先行した寺崎も赤板突っ張り先行で2着。大きな自信を手に入れたと感じます。ますます戦法に幅ができ、更に覚醒しそうです。

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE

related articles