月刊競輪WEB

検索
車券推理 第1回女子オールスター競輪 宇都宮
解説&分析 2025.08.13

車券推理 第1回女子オールスター競輪 宇都宮

#レース予想の極意

女子オールスター競輪もついに単独でのGⅠ開催となりました。現時点では後半6個レースがタイトル戦ですが、いずれは男子と同様に一個のトーナメントになるのでしょうか。レベルの高い選手も増えてきていますが、層の厚みはまだ感じません。そのため、普段の成績がGⅠで全て反映されるわけではありません。上位選手のみでのトーナメントは位置取りも難しく、そして展開も別物になります。故に対応力が問われます。普段なら脚力指数の低い選手の前に入れてもらい、そこから仕掛けて行く事も多いです。

GⅠではスタートからの位置取りと、他の選手との位置関係が重要となります。抜き出た選手はある程度、強引なレースも出来ますが、それでも前々にいないと勝負にならないのがガールズGⅠです。ファン投票は1位が児玉碧衣、2位が太田りゆ、3位に佐藤水菜という結果でしたが、力は佐藤が抜き出た感は誰しも感じているはずです。しかし、この順位は車券に対する貢献度が高い選手でもあります。そして児玉の競輪に対する姿勢がファンの心を掴んでいると思います。

初日ドリームレースでは児玉が前々に攻め、流し先行。そこを佐藤が力で叩きました。児玉は踏み出し勝負で佐藤を封じようとしましたが、それ以前に佐藤がトップスピードに達していた事で勝負ありでした。

そして2日目準決勝10Rは太田りゆが梅川風子を意識し過ぎた上の結果でした。このあたりも、普段は対戦しない脚力上位同士でのレースであり、それに対しての走りがまだ出来ていない事の結果だったと思います。

11Rは佐藤がドリームでの走りと結果で、他を圧倒している事を自身が把握していると感じました。そして更に番手に入った仲澤春香を寄せ付けなかった事は、決勝に向けて自信を深めたと感じます。12Rは児玉がしっかり手堅い走りをしました。

500バンクで苦しかったかもしれませんが、積極的な走りはさすがでした。準決勝3個レース全ては、結果を恐れず前々に攻めた選手が結果を残しました。決勝メンバーは児玉、佐藤がやはり中心になりましたが、先行は太田美穂か、もしくは仲澤になりそうです。その両者を上手く利用する選手は誰か。そして、その展開を佐藤がねじ伏せるのかどうかです。

展開予想

ガールズのスタートは読みづらいですが、誰も出なければ佐藤が前受けで小林莉子が続く。車番がかなり影響しそうなメンバー構成と感じます。まず太田美穂が動き出し、そこを仲澤が叩く。その時に久米詩がその位置にいる。このメンバーでは久米が一番位置にこだわる。そして児玉が続く。佐藤は位置を気にせず、早めに一気に仕掛ける。連日内容も十分だが、タイミングによっては苦しみそうでもある。中心は佐藤に変わりないが、脚をため前団にいそうな選手にも要注意です。それが児玉なら逆転もありそうです。

車券的推理予想
1-2-3457 1=4-257 1-7-245 7=4-351

結果
1-7-3 64倍(22番人気)

レース経過

スタートは久米が取り、太田美穂を迎え入れる。そして柳原真緒が続き、佐藤、小林、児玉の順。そして仲澤が3番手外。仲澤としてはどこかしらに入れてもらえる所を探し、苦肉の策として同県・柳原に入れてもらおうとしたかもしれない。普段のレースなら仲澤の機動力があれば入れてもらえるでしょう。しかしここはGⅠです。柳原としても太田美穂の先行で、久米の番手まくりという思惑があったと思います。ただ、太田美穂の先行より仲澤の機動力に期待した方が番手になり見せ場も作りやすく、後方の動きにも対応し易いと思いました。太田美穂の3番手なら久米頼りになります。その事で反応が遅れるからです。後方にいた児玉がその仲澤を追い、すかさず仕掛ける。それによって隊列は短くなり、そこを一気に佐藤が仕掛けました。踏み出しも良く、番手の小林も離れ、そして児玉を飲み込みました。

スピードに乗りやすい展開を生かし一気に勝負を決めた佐藤の優勝で幕を閉じました。

ガールズケイリンが成長し、今回のオールスター競輪を迎えました。そのタイミングで佐藤がナンバーワンの地位に登り詰めました。しかも頭2つ以上抜けている印象です。以前は、力はあっても他の選手を意識し過ぎている感はありましたが、今現在は全く気にしていない。その事がプラスに作用し、今回の結果となったと思います。

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE

related articles