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直送!競輪競輪場便り from名古屋競輪場 塚本貴雄(岐阜70期)
インタビュー 2022.06.15

直送!競輪競輪場便り from名古屋競輪場 塚本貴雄(岐阜70期)

#競輪場便り

競輪は工夫次第

  51歳になっても競輪に懸ける思いと取り組みはまったく変わりはない。すでに選手生活は30年にもなる塚本だが、A級2班に再昇班した今期は、3月の豊橋で決勝に乗って2着と奮闘してみせた。「実況的には目標と離れての2着ということになるでしょう。でも番手を取られるほどはあいてなかったよ」と胸を張ってみせた。

 ベテランに大きなきっかけをもたらしたのが降班。一昨年の前期と昨年1年間はチャレンジ生活を送った。「最初はなめていました。9連勝で特別昇班してやろうと思っていましたから」。しかし現実は甘くなく、力勝負の若手選手にたたきのめされたことで競輪への取り組みをそれまで以上に真剣に考えるようになった。

 「どうやったら付いて行けるのか。バックで車間があいてしまうのはどうすれば対処できるか。117期の中部の若い選手と走って、いろいろ話したことで乗り方などの情報が手に入った。もちろんその全てを取り入れたわけではなく、自分にとって必要な部分だけをね」

 強くなるための秘訣や特別な練習は何もないという。とにかく自分のペースを守り、こつこつと積み重ねること。4月に練習中の落車で鎖骨を折ってしまったのはマイルールを破ったからだった。「練習を1日休んだことで、その分を取り返そうと頑張ったら転んでしまった。30年も選手をやってきて練習でケガをするなんて恥ずかしいよね。空回りしていたんだなあ」と反省した。

 だから将来の目標を立てるのは好まない。ただ、同期の頑張りは大いに刺激になっているようだ。「同期同級生でエリートだった森山昌昭(福岡)が2月に大垣のチャレンジで優勝したでしょ。うれしいよね。僕はA級戦で優勝できたらいいなとは思っている。とにかく競輪は工夫次第。自転車をうまく走らせられれば年齢に関係なく戦えるから」

 筋力や持久力で若手に勝てるわけはない。しかし「技術、反射神経でカバーできる」ときっぱり。そして「はったりもね。それに僕はあきらめも悪いから」と笑ってみせた。

(名古屋競輪場にて)

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