和田健太郎が、開設記念ではないが3日制GⅢ シン東京ミリオンナイトレースで優勝した。GⅢで言えば2023年12月の伊東記念以来となる。前場所の松戸FⅠも優勝していて、連続Vとなった。
決勝戦は関東勢が5人進出し、山崎賢人に田中誠の九州勢、和田と大阪の中釜章成が単騎になった。決勝メンバーが出揃い、果たして和田の作戦はいかに? まずは関東勢の並びが注視されたが、吉田有希に地元の寺沼拓摩、3番手に鈴木玄人、山口多聞には同県に藤田周磨となった。和田はしばし考えた後「単騎で自在」のコメントを残した。選択肢はいくつかあったと思うが、単騎というのは和田の実力やプライドを考えれば当然だっただろう。
レースは中釜が勢いよく飛び出したが、誘導員を追わない展開に騒然。「まさか中釜君が追わないとは。脚を使いました(笑)」和田が前に出て九州勢を受ける形になった。赤板過ぎに埼玉勢が抑えると和田はこの後ろにスイッチ。しかし、山崎も合わせ結局、和田は山崎の後ろで田中と並走になった。すると和田は1コーナーで内をしゃくり、埼玉勢の後ろへ。とっさの判断力が際立った。2番手の藤田が直線で抜け出すが、山口と藤田の中を割って和田が突き抜けた。「初手の位置は良くなかった。地元勢が前を取ってそのまま突っ張ると思っていたが、山口君の先行も想定していた範囲」3番手を奪った時点で勝負アリだったのかもしれない。
今開催は初日特選こそ鈴木玄人に付けたが、準決勝は新田康仁と2人。「まくろうかと思っていたが、行けなかった。新田さんには申し訳ないことをした」と準決勝後に話していた。「だから決勝は何でもやるつもりだった。まくることも考えていた」と総力戦で構えていた。前検日は「松戸はまくり追い込みという自分の形ではなかったし、今回はあまり調子が良くないかも」と話していたが、それでも蓋を開けてみれば調子云々は全くもって関係なしだった。
今後は追加となった富山記念「瑞峰立山賞争奪戦」に出場後、オールスターに向かう。