真夏の祭典と言われているサマーナイトフェスティバル。今年から4日制になり、優勝賞金も倍近くに増額しました。サマーナイトフェスティバルが創設された頃は2日制。オール予選で決勝は1着のみでした。その事もあり字の如く真夏の祭典と呼ばれるようになりました。しかし賞金が増額された今、その雰囲気も消えつつあり、グランプリシートを狙える位置にいる選手にとって重要な一戦の一つに加わりました。それだけに次回GⅠオールスターにも、ここでの流れが影響すると思われます。長い夏の始まりです。
初日一次予選で印象に残ったのは皿屋豊、取鳥雄吾、嘉永泰斗です。皿屋は中団から一気にまくり、番手浅井康太を振り切りました。元々スピードある選手ですが、今回は更にその事を強く感じました。ただ立ち回りが上手くないので、出来を結果に繋げられるかどうかです。地元の取鳥はカマシが得意ですが、初日は打鐘先行。戦法の幅に広がりを感じました。そして嘉永ですが、立ち直りの兆しを見せていましたが、それが勢いに変わる事がなくここまで来ていました。しかし初日の走りは着実にステップアップしている感がありました。
そして特選組では志田龍星の先行力、吉田拓矢の高い次元での安定感、清水裕友の復調からの勢い、さらに寺崎浩平と古性優作の信頼関係の構築を感じました。
あとは予選組に地元期待の太田海也。いつも通りの打鐘先行であったが、3番手に入った山田諒にまくられ5着に沈んだ。山田はちゅうちょなく2コーナーから仕掛けた事。そして実際掛かりが良くないと見えた。4着権利でしたが、2次予選へ繰り上る強運でした。太田の2日目、2次予選Bは2着権利。初日の掛かりから考えると不安要素も大きかったと思います。しかしいつも通りの早めの先行で、勝負度胸を感じさせました。さすがであった。
12Rアルタイル賞で更に寺崎、古性の信頼度が深まる。勝ったのは岩本俊介だが、古性は無理せずけん制。その分伸びた岩本。本来なら縦へのブロックをしたいところだが、それは事故点がつく。その場合は岩本も松井宏佑のあおりで伸びにくくなる。縦へ踏めば簡単だが、それもせず。岩本があそこまで伸びるとは思ってなかった事もあり2着となったが、更なる信頼構築に繋がりました。
3日目準決勝10Rは太田が詰まりはしたが、こじ開けカマシ先行。眞杉匠も太田が詰まっている事で先行策に出た。タイミングが合い3番手取りになった。11Rは松井と寺崎の先行争いではないが、好位狙いの踏み合い。それを見て整えた佐々木悠葵のカマシ先行が決まった。12Rは中野慎詞が深谷知広を合わせ先行体制。スタートで前受けを選択した坂井洋が3番手に入る。古性とはスタートの選択で明暗を分けた。
決勝メンバーは地元、太田に清水の中国ライン。関東が4車。佐々木、眞杉、吉田、坂井の並び。そして南関ラインは郡司に松谷秀幸。そこに宮城の和田圭が付ける。まず和田の選択だが、日頃の連携実績を重視したか。本来なら太田ラインに付けた方が優勝まであり、そこを選択すると考えた。しかしそれは選択せず。チャンスを生かさないと勝てないとも感じる。そして関東ラインも分かれて走る選択肢もあった。そこは坂井が4番手まで下げた事が大きい。分かれた方が関東全員にチャンスがあるとも感じる。その事で関東の2段駆けもあるのかと言った並びです。
展開予想
スタートは1番車のいる関東。そして2番車の清水が中団取り、中国ライン。後方が郡司ラインで周回と考える。この並びなら後方の郡司から動き佐々木を切るのがパターンだが、それは佐々木がさせない。郡司に切られると、そこに太田が来る。郡司3番手、佐々木6番手の展開になり、佐々木にとっては最悪の展開である。佐々木が郡司を突っ張るが、郡司がそれを見越して動かない事も考えられる。動かなくても太田は5番手に居座る事なく必ず仕掛けるのでそれもアリである。その場合は佐々木の3番手飛び付きもあるが、郡司は太田の勢いを貰い太田を叩く。3番手なら叩き易い事もある。しかしそこはタイミングが全てである。佐々木が3番手に入り上手く仕掛けるタイミングが巡る事も考えられる。1番脚を貯めているのは番手絶好の清水である事は間違いない。あとは関東作戦。佐々木突っ張り先行で眞杉の番手まくりである。しかし佐々木のコメントは「前でやりたい」である。引っ張り役の選手のコメントには感じない。そこをどう読むかである。
車券的推理予想
2=1-495 2=9-14 1=9-253 1=5-9723
レース結果
1-5-8 33.1倍(7番人気)
レース経過
前受けは関東勢。そして中国ラインで、後方南関ラインで周回。まず赤板前に後方の郡司が佐々木を押さえに行く。しかし佐々木が突っ張り態勢をとる。郡司が下げるが、そして5番手の太田はその位置をしっかりキープ。佐々木がある程度のスピードで仕掛けたので、関東は2段駆け作戦を選択した事になりました。5番手の太田が打鐘4コーナーから仕掛ける。眞杉のブロックをかいくぐり太田がまくり切る。この時にあおりで車間が空いた清水。そこを吉田にけん制され清水は後退。眞杉がまくった太田に切り替えた。眞杉の優勝が決まった瞬間である。
佐々木は読みにくい選手ではありましたが、今回も動きが読めなかった事が全てです。ここ最近の流れは自力型が並べば番手まくりの構図です。私達OBは番手まくりは余程の時にしかしない戦法でした。競輪が変化してきたと感じました。