今年に入って復調ムード。ようやく本来の姿を取り戻しつつある。昨年は成績不振によりグレード戦線から離脱。唯一、正規あっせんで走ったダービーも三走で帰郷と流れに乗れない一年だった。
「一時期、調子を落とした時期はありました。色々噛み合っていなくて。でも、最近は良くなってきた。理由? 練習方法の見直しですかね。市橋司優人さんとタイヤを引っ張るようになってから調子が上がってきた実感はある」と練習の見直しが復調のキッカケとなった様子。練習パートナーである市橋もS級初優勝を決めるなど、共に成績に現れて来た。
岩谷と言えば元々は素質抜群のスプリンター。名門・不動會の一員で在所順位は9位。デビュー当初の勢いから見てももっと活躍していい好素材だ。
得意パターンはダッシュを生かしたカマシ捲り。組み立ての面で甘さはあるが、ツボにハマった時は点数以上の力を発揮する。実際に2023年の松戸記念では郡司浩平を不発にする先行で優出した実績もある。「松戸は得意だったので。組み立てで失敗することもあるけど、得意な形になればもっとやれると思います」。
青森開催初日も豪快なカマシを決めて井上昌己とワンツーを決めた。付いた井上も「凄いダッシュでした。琢磨は良いダッシュしていますよ」と絶賛していた。
今後のグレード出走予定は5月の日本選手権のみ。今は8月に行われるオールスターの選考期間で勝負駆けの状態だと言う。
「去年に比べたら良くなっているのでダービーでどれだけ走れるか。だいぶダッシュが戻って来た感じはありますね。あとはもっと精度を上げていきたい。8月のオールスターも出たいし、一戦一戦が大事になってくる」とまずは目先のFⅠ開催で活躍して点数アップを目指す。
小倉をホームバンクに持つ岩谷にとって一番の目標は11月に行われる競輪祭出場。そこで活躍することが地元の選手としての使命だろう。
「市橋さんが既に(出場を)決めているし自分ももちろん出たい。権利を取るのは簡単ではないけど、目標にして頑張っていきます」。
昨年のスランプがあったからこそ成長することができている。本来のキレを取り戻し、今年はキャリアハイの成績を目指す。