ガールズグランプリ2024が静岡競輪場に於けるKEIRINグランプリシリーズの2日目11Rに実施される。3大会のGI優勝者3名と11月の競輪祭女子王座戦終了時点での賞金獲得額上位者4名による対決だ。ワールドクラスのスピードで向かうところ敵なしの佐藤水菜が断然の中心だが、ゴール前での切れ味が光る石井貴子や復活を目指す児玉碧衣の走りも注目で、獲得賞金ランキングでトップを走り続けている坂口楓華や尾崎睦の一発も侮れない。
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は4月のオールガールズクラシックを完全優勝していち早くガールズグランプリの出場権を獲得したが、8月の女子オールスター競輪決勝で佐藤水菜と太田りゆのナショナルチームの2人に完敗してから調子を落としいった。8月の佐世保と9月の熊本と函館で3場所連続優勝しているが、函館のあとは10月の豊橋まで1か月以上空き、その間は自転車に対するモチベーションが下がりほとんど自転車に乗らなかったという。11月の競輪祭女子王座戦ではまさかの予選敗退に終わっており、どこまで立て直してくるかに注目したい。
石井貴子 千葉 106期
石井貴子は2021年5月のコレクション京王閣ステージで落車して大怪我を負い、その後も何度が落車による大怪我を負って引退を考えることもあったが、自分を応援してくれるファンのために懸命にリハビリに励み徐々に復調してきた。そして今年6月のパールカップでは準決は4着での辛くもの優出だったが、決勝では逃げた奥井迪を追走しゴール前で差し切ってGI初優勝を達成、4年ぶり5回目のガールズグランプリ出場権を獲得した。11月の競輪祭女子王座戦でも優出と好調を維持しており、今回もゴール前での鋭い伸びを期待してみたい。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は昨年のガールズグランプリで初優勝を飾っている。今年のパリ五輪では女子ケイリンで13位、女子スプリントで10位だったが、10月のUCIトラック選手権大会では女子ケイリンで金メダルを獲得、日本女子の短距離種目での初の快挙を成し遂げている。ガールズケイリンではファン投票3位で出場した女子オールスター競輪で完全優勝を達成、その後も9月の前橋と11月の平塚で完全優勝し、11 月の競輪祭女子王座戦でも完全優勝で3年連続5回目のガールズグランプリ出場権を獲得しており、今年もワールドクラスのスピードを見せつける。
坂口楓華 愛知 112期
坂口楓華は獲得賞金ランキング1位で2年連続3回目のガールズグランプリ出場権を獲得した。今年は3月のガールズケイリンコレクション取手ステージで3番手からの追い込みでビッグレース初優勝を達成している。その後も7月のガールズケイリンフェスティバルで決勝4着、8月の女子オールスター競輪では決勝6着と好調を維持、11月の競輪祭女子王座戦では準決で6着と敗れたが、11月末時点での優勝回数は18回で獲得賞金ランキングはトップを走りつづけており、今年はガールズグランプリ初優勝と賞金女王を狙っていく。
尾崎睦 神奈川 108期
尾崎睦は獲得賞金ランキング2位で6年ぶり4回目のガールズグランプリ出場権を獲得した。デビュー10年目の節目を迎えた尾崎睦はビッグレースでの優勝経験はないが、4月のオールガールズクラシックでは決勝3着、6月のパールカップも決勝3着、11月の競輪祭女子王座戦では1着、3着で勝ち上がって決勝6着と活躍した。11月末時点での優勝回数は14回で、昨年は6回だったのでこの1年で大きく成長したことがわかる。オールガールズクラシックでは予選と準決を捲りで突破とタテ脚も健在で悲願のビッグレース初優勝を目指す。
尾方真生 福岡 118期
尾方真生は獲得賞金ランキング4位で4年連続4回目のガールズグランプリ出場権を獲得した。尾方真生はデビュー2年目の2021年にガールズグランプリ初出場を果たしており、デビュー当初からその実力が高く評価されていたがビッグレースの優勝には手が届かなかった。しかし、今年7月のガールズケイリンフェスティバルでは予選は逃げ切り、準決は捲りの2着で勝ち上がると決勝は逃げ切って初優勝を飾っている。競輪祭女子王座戦は準決で敗れたが、11月末時点の優勝回数が16回の堂々たる成績でガールズグランプリ初優勝に挑む。
石井寛子 東京 104期
石井寛子は昨年は11月の競輪祭女子王座戦で準決で敗れて獲得賞金ランキングで坂口楓華に逆転されてガールズグランプリの連続出場記録は10回で途絶えた。今年は1月の岐阜でガールズケイン史上初となる通算600勝を達成、3月のコレクション取手ステージは3着となっているが、ビッグレースでの優出は8月の女子オールスター競輪のみと厳しい状況が続き、11月の競輪祭女子王座戦も準決で敗れている。それでも今年の優勝回数は17回で獲得賞金ランキング6位で7番目の席に滑り込んでおり、今回は力強い復活の走りをきっと見せてくれるだろう。
プレイバック ガールズグランプリ2023
佐藤水菜が後続を引き離す圧勝劇で初優勝
吉川美穂、尾方真生、佐藤水菜、久米詩、児玉碧衣、梅川風子、坂口楓華の並びで周回を重ねる。残り2周の赤板を過ぎても大きな動きはなく、佐藤が後ろを警戒しながら前との車間を徐々に空けはじめたところで打鐘を迎える。誘導員が退避し、最終ホームに差し掛かったところで2番手の尾方が腰を上げて踏み込み先行勝負に出る。叩かれた吉川は2車身ほど離されながらも尾方を追いかけ、さらに2車身ほど離れた3番手の佐藤はなおも後ろを振り返りながら仕掛けのタイミングを計る。最終2コーナーからようやく佐藤がスパートするとそのスピードは強烈で、あっというまに3コーナーで尾方を捕らえてしまう。その後もスピードは鈍ることなく後続に4車身の差をつける圧勝劇でガールズグランプリ初優勝を飾り、上がりタイムも驚異の11秒5だった。2番手は久米が必死に佐藤を追走するが、最後の直線で久米を交わした児玉を外から交わした梅川が2着に入り、児玉が3着。