ライバルは腐れ縁の同期同級生
宇都宮短大付属高校時代はソフトテニスに熱中した。その後、競輪選手を目指すべく動き出すと、偶然にも同級生に同じ考えの人がいた。それは福田稔希――。福田は高校まで野球一筋。それまで深い接点のなかった2人だが、ここから〝腐れ縁〟は始まる。
2人そろって支部長でもある山口貴弘(栃木)に弟子入りすると、ともに125期としてデビューを果たした。「ラインを連れ込むレースができないようでは上(S級)にいっても通用しない」という師匠の教えを忠実に守り、突っ張り先行基本の積極策を続けながらしっかり結果も出してきた。また「眞杉匠さんには街道練習によく連れて行ってもらっています」と話すように、SSから厳しい稽古をつけてもらう日々を過ごすうちに、脚力も目に見えて上がってきた。
岡部のここまで成績は福田と比べてもほとんどそん色はない。しかし本人は「全てにおいて自分の方が劣っています」と実に悔しそう。11月の伊東では福田の番手から優勝を飾ったが「(前後を決める)選択権は脚も点数も上の(福田の)方にあった。(福田が)『準決の内容が悔しかったから前でやらせてほしい』と言っていたので、自分が番手になったんです」と明かしたように、内心は前で頑張りたかったが〝任せてもらえなかった〟形だったようだ。
とはいえ、これから切磋琢磨して2人で力を付けていけば今後、幾度となく連係する機会は増えるだろう。その時々で前後を入れ替えて戦う〝栃木同級生ゴールデンコンビ〟が誕生すれば、これ以上楽しみなことはない。また、「眞杉先輩を大きい舞台で引っ張る」という壮大な目標もある。まずは身近にいる最大のライバルに近づき、そして大きな夢をかなえるためにこれからも猛練習に励んでいく。