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車券推理の極意 2024競輪祭女子王座戦「決勝」
解説&分析 2024.11.27

車券推理の極意 2024競輪祭女子王座戦「決勝」

#レース予想の極意

昨年からGIに昇格しましたが、ガールズはGIタイトル戦と言うより、グランプリシートを掛けた一戦と言った方が当てはまります。これから更に歴史が積み上げられて行けば、GIへの意識も高まると思います。そしてグランプリの権利を持たないナショナルチーム組。その戦い方にも注目のシリーズでもあります。

それを迎え討つ地元の児玉碧衣。少し佐藤と力の差がついた感もあります。すでにグランプリの権利は持っています。昨年もその状況でシリーズを迎えましたが、高いモチベーションは感じませんでした。

対する佐藤水菜は世界選手権を制し、世界チャンピオンとなっての参戦です。明確な条件の違いがそのままレースに出る可能性は高い。佐藤は危なげ無く勝ち上がる。児玉は初戦で上手く軌道に乗ればマイナス要素から来る不安は掻き消せます。

そして迎えた初日1R1番の佐藤がホームからの先行。番手は3車並走。楽な展開も手伝い逃げ切りました。本気で踏んでいたなら少し不安のある内容にも見えました。

そして4R児玉が登場。地元の期待を背負ってのレース。後方に置かれそこから仕掛けましたが、普段のレースとは違い力のある選手が揃っています。他の選手の仕掛けでタイミングを狂わされ敗退。明暗はハッキリと出ました。グランプリまでにしっかり仕上げ直接対決で再び女王の座を掴む事に期待したい。

ナショナルチームに在籍した選手がシリーズをリードし順当な決勝メンバーになりました。その中で當銘直美のマーク戦です。過去にも位置にこだわる選手はいましたが、スタート取っての飛び付きや、流動的に位置を取る選手でした。男子同様の直マークは少なかったのですが、女子にもこの様な選手が現れた事は、競輪の過去の歴史を見ているようです。スタート取って強い選手を入れる。そこから徐々にマーク戦に変化して行きました。その當銘は連日一番強い選手の番手を守り決勝へ勝ち進みました。

決勝は佐藤、太田りゆ、梅川風子のナショナル組。久米詩、尾崎陸、石井貴子の自在選手。そこにマーク選手の當銘が加わった、色んな角度からも楽しめるメンバーとなった。

展開予想

スタートは流動的だが梅川が取ればその番手に1番車を活かし佐藤が入る。そして車番的には久米だが、當銘が割り込む。久米がその後ろで太田。そこに尾崎、石井だがこの位置も魅力的だが、太田が合わされれば自ら出る覚悟がいる位置。その覚悟がある選手が番手。尾崎か。誰も動かなければ、太田が動く。誰かが動くなら、それは最後方の石井になる。ただ突っ張り先行もあるだけに、やはり太田から動く。梅川が突っ張る。その時4番手の久米が捲り一発に賭ける。しかし番手佐藤が抜け出す。仮に引けば太田の先行になるが勝ちたい意識が強すぎる太田は流す。そこを再び梅川が叩く。この時に自在型の選手が梅川の番手に収まる事は考えられる。しかし佐藤が一気に捲り決着。

車券的推理予想
1-4-2675 1=2-4675 1=3-4267

結果
1-3-4 16.4倍(5番人気)

レース経過

スタートは太田が取りその番手が石井。そして梅川、尾崎。佐藤の番手に當銘。最後方が久米で周回。まず最後方の久米が梅川の3番手に上昇する。少し佐藤は被る。梅川の動きもなく太田が様子を伺いながら先行態勢。梅川が動き太田も踏み出す。太田は自身のダッシュ力を信頼し少しでももがく距離を縮める形で先行する。その時点で6番手の佐藤も仕掛けバックでは3車並走のもがき合い。そして4コーナーでは佐藤が伸び優勝した。

女子の上位陣の脚力は拮抗しては来ていますが、まだまだこれからと感じた一戦でした。優勝した佐藤水菜にとってはライバルのいない一戦だったかも知れない。小倉バンクはスピードのある選手が優位で楽だったかも知れない。その意味ではグランプリの行われる静岡は粘りが求められる。児玉との直接対決を制し、女王の地位を揺るぎないものにして欲しい。

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