11月も中旬なのに暖かい日が続いてる。明日からは冷えるみたいだけどね。競輪場へ行くには好都合だけど、地球規模では何かがわずかずつ変化しているんだろうな。少しも変化しないのは俺の競輪場通い。そしてラーメン店での進歩なき、競輪談義。
今日も昼すぎにラーメン店に顔を出す。常連のトミさん、タナカくんが座ってた。開口一番、代り映えしないなあと言ったら、店主のマサさんが指差しながらひと言。「メニュー見てごらんよ。変化あるから」。そういえば、この店、テーブルの上にメニュー表がなく、壁にA4サイズを縦に半分切った色紙に、黒のマジックで「ラーメン」とか「チャーシューメン」とか書かれているだけ。差された方を見ると、黄色い紙に「たまねぎトッピング100円」と書かれてあった。これだよ、とトミさんとタナカくんが自分のラーメンを見せてくれた。醤油ラーメンにさらしたまねぎが拳半分ほど乗っている。旨いの?うん、けっこういい感じ。じゃ、俺もそれって頼んじゃった。「たまねぎが入っているのは八王子ラーメン、千葉の竹岡式ラーメン、新潟の背脂ラーメンとかかな。自分で作ってみたら、けっこう美味しくて、始めちゃった」と言いながら、マサさんがラーメンを出してくれた。いやいや、うまいね、これ。でもいくらさらしてあっても、中盤ころには口の中が、たまねぎっぽくなる。嫌いじゃないけど。
「でも松阪はたまねぎじゃなくて、肉(②⑨)でしょ」とトミさんが口を挟んできた。そう、今日は松阪GⅢの最終日。松阪競輪と言えば、松阪牛からとった②⑨、⑨②の車券でいろいろキャンペーンがある。今回は②⑨が3着以内に入れば、その都度1万円相当の松阪牛が3名にプレゼントされる。タナカくんとマサさんは応募したらしい。
いやいやそうじゃなくて、誰か面白い選手いる?と初日からしっかり見ているタナカくんに聞いてみた。タナカくんは「伏見俊昭ですよ」と即答。東日本大震災のあと、松阪へ来て、今もここに住んでいる。それだけじゃなくて、確かにこのところ成績がいい。
ご存知の通り伏見は福島の追い込み選手。48歳のベテランだが、S級1班の座は譲らない。グランプリも獲っているし、GⅠのタイトルも持っているが、昨年12月から予選はしっかり勝つのに20場所も決勝に乗っていなかった。
ところがどうだ。8月の取手は準決をまくりで制し、決勝はなんと先行して2着に粘ってしまった。決勝の連対は2年ぶり。そこから8場所を走って4回の決勝進出。25走して8勝、2着4回とすっかり復調してしまった。
今回も初日は番手まくりで勝ち、二次予選は目標の高橋晋也が不発だったのに、立て直して3着。準決も5番手から2センターで内を突いて、最後は外を伸びて2着。引き続き悪くない。
よし車券。まず8Rから②⑨、⑨②の2車単を400円ずつ買おうと思ってたけど、今回は支線に組まれているせいかあんまり出ていないからやめる。決勝に乗った単騎の伏見からの車券を検討することに。長島大介が先行1車だけど、後ろはもつれるとみて、伏見のひとまくりでしょと、みんなに触れ回って、1着と2着で流すことに。けっこうつくんですよ。結果?本線が先行して3連単は1番人気で決まり、伏見は終始被って6着。マサさんが1点で取って、これしかないじゃないと喜んでいる横で、作り笑いをしてた。
大の男が4人、たまねぎの香りに包まれながら競輪談義。確かにいつもとは違う。俺たちも地球同様、日々変化してる。