初の地元参戦に奮起
2016年の熊本地震の影響で長らく休止状態だった熊本競輪場で7月に8年ぶりに本場開催が行われた。松本はその第一弾には参加が叶わなかったが、10月3~6日の日程で開催された「大阪・関西万博協賛競輪GⅢ 開設74周年記念 火の国杯争奪戦」にエントリーされ、選手になってから初の熊本参戦となった。
結果は1、4、8、1着と準決の失敗こそ悔やまれたがシリーズ2勝を挙げて健闘してみせた。最終日の8R特選は意外な展開だった。九州は福岡の林慶次郎と2人だったが、年長の林が前回りを買って出たため、松本は番手回りとなった。さらに3、4番手は小倉竜二と福島栄一が固め一大勢力に。
レースは林の気持ちのこもった積極戦が光り他派につけ入るスキを与えなかった。それでも野口裕史のまくりが飛んでくると、松本は引き付けながら番手から飛び出し1着をゲットした。「慶次郎さんと四国のお二人のおかげです。慶次郎さんの頑張りがあったのでどうにか小倉さんと決めなければいけないと思って踏みました」。小倉は3着だったが、ひとまず2人で確定板には乗り面目は保った。
待望の地元戦を終え「勝つ喜びや負けた悔しさは、ほかと比べて重みが違いました。これが地元だと思いましたね。昨日、準決で地元1、2着が決まったレースを見ていたら鳥肌が立ちましたから。それぐらい雰囲気がありました」と初めて味わった独特な空気を肌で感じた。「スタンドを見ると中学校のサッカーの先輩や整骨院の先生とかいろんな人が応援に来てくれた。1走ごとに気持ちを入れて走れました。また頑張りたいです」と緊張感から解放され、ようやく一息ついた。
当開催の直後には、入籍したガールズケイリンの南円佳と結婚式を挙げるなど公私に渡り順風満帆だ。発奮材料は多くあり、もう一段階ステップアップするために精進していく。