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直送!競輪場便りfrom 小田原競輪場 桐山敬太郎(神奈川・88期)42歳S級2班
インタビュー 2024.10.09

直送!競輪場便りfrom 小田原競輪場 桐山敬太郎(神奈川・88期)42歳S級2班

#競輪場便り

実力者が追い込みに転向「もう一回、GⅠに出て上位で戦いたい」

 南関の貴重な機動型として長らく第一線で活躍し、2015年には全日本選抜とオールスターでGⅠ決勝にも進出した実力者が転換期を迎えた。

「もう自力は出しません」

 追い込み転向を決意したのは「脚が落ちてきている」という理由の他に「今のレース形態では、自分の自力では通用しないから」というものだった。

 桐山が自力でバリバリいた時は、圧倒的な脚力でねじ伏せるというよりも、高い競輪IQを駆使して相手を動かしつつ好位を取って仕掛けるという〝ザ・競輪〟のレーススタイルで活躍してきた。「昔は三分戦かコマ切れ戦が基本で、自力選手、番手選手、ラインを固める選手それぞれが自分の持ち場を全うして戦っていた。勝っても負けても自力でやると楽しかったし、やりがいがありました。でも今の競輪はやるかやられるかの二分戦が多くなり、昔とはまるっきり別の競技に変わってしまった。若い子との力勝負ではやはり分が悪いし、点数があった時の自分でも(今の形態では活躍は)無理だったでしょうね」

 かつては他地区に比べて層が厚いとは言えなかった南関も、今年のGIタイトルホルダーを2人輩出したように今ではすっかり「大国」となった。隆盛期の桐山が今の南関メンバーに加わっていたら、タイトル獲得のチャンスも十分あっただろう。「もっと早く出てきてくれればね(笑)」と本音も漏らしたが、今からでも決して遅くはない。

「やっぱりもっと勝てるようになりたいし、もう一回GⅠに出て上位で戦いたいのでね」

 もともとヨコの動きは苦にしないタイプで、自力を完全封印してからは成績も上昇してきた。「自力を出さなくなってからは気持ちも楽になったし、ヨコにしっかり動けるフレームも取り入れました」と追い込みスキルアップに余念がない。

 優しさと厳しさと豊富な経験をもつ桐山が再び最前線で戦うようになれば、南関地区の未来はより明るくなるはずだ。

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