ホッピー片手に生観戦、これぞ競輪の醍醐味だ!
月刊競輪WEBをご覧の皆さん、こんにちは。U字工事の福田薫です。今回、競輪をテーマとしたコラムのお話をいただきました。せっかくの機会ですし、競輪歴20数年の思い出をつらつらと書き連ねていきたいと思います。どうぞ、最後までお付き合いください。
オレが競輪を覚えたキッカケは地元、栃木の歴史的偉人、神山(雄一郎)選手でした。ある日、友達の家で麻雀をしていると、そこのお父さんが電話投票で競輪を買って神山さんを応援していて。何となく見ているうちに、エンジンとかを使わずに強い人が勝つ、っていうシンプルな部分にひかれて一気に虜になりました。
もちろん、芸人になってからものめり込み、事務所のプロフィール欄に「趣味・競輪」と書いたおかげもあってか、スピードチャンネルの「ごめんくださいヒデさんです!」っていう吉井秀仁さんの番組からお呼びがかかりました。あれから10数年経ち、今も競輪の番組に携わらせてもらい、まさに趣味と実益を兼ねた有意義な時間を過ごしています。
オレはかねがね、競輪の醍醐味って現地での生観戦だと思っていて、20年以上前に初めて競輪場に行ったときの思い出が強烈に残っているんです。ナケナシのおカネを握りしめて訪れた京王閣のヒラ開催でした。金網にしがみついて声を張り上げ、最後の最後に勝負した千円が確か10倍になったのかな。場内で味付けの濃い煮込みを生ホッピーで流し込んだ記憶も鮮明にあり、独特の雰囲気はすごく居心地が良かった。また、ある時は場内で足湯のイベントがあり、ちょっとくたびれたオジサン2人が入っていて、何となく〝この湯には入りたくねぇな〟とか及び腰になったり(笑)。とにかく本場には不思議な魅力がたくさん詰まっています。
10年ぐらい前は本場の若いファンって本当に少なくて、この先の競輪はどうなるんだろう?って真剣に考えたこともあったけど、最近は客層が変わってきました。ミッドナイトなどから興味を持った新規のファンで、競輪の魅力にハマった〝同士〟の出現はとてもうれしく頼もしいです。芸人仲間でもパンサーの向井(慧)君を筆頭にハマカーンの神田(伸一郎)さん、お見送り芸人しんいち君とか増えつつあって、楽屋で普通に「昨日の古性(優作)、強かったね」みたいな雑談が出るほど。競輪が浸透しているなと肌感覚で実感しています。
主役である選手たちも味がある人ばかりですよ。皆さんをリスペクトしていますが、特に松浦(悠士)選手を応援しています。だって松浦さんって状態面や戦い方など、しっかりコメントしてくれるじゃないですか。自分が不利になるのを承知の上で正直に話してくれる。あれって車券を購入する側からすれば、ものすごくありがたいことなんです(笑)。
さて、6月11日から今年3つ目のGⅠ「第75回高松宮記念杯競輪」(岸和田競輪)が行われます。松浦さんや個人的に親交のある浅井(康太)選手もいますが、ここは2人ほど推したい選手がいます。まずは北井(佑季)選手。2月の全日本選抜競輪で初めてGⅠ決勝に乗って、今もっとも勢いのある選手です。元Jリーガーで、オレが応援している栃木SCとも、北井さんが松本山雅FC時代に対戦しているんですよ。
あとは地元、栃木の眞杉(匠)選手。1月にGⅠ祝賀会でお会いしましたが、普段はニコニコした優しい‘あんちゃん’なのに、いざレースになると鬼のように強い。この間の西武園記念の決勝なんて痛快だったでしょ。神山さんに次ぐ栃木のスターとして期待しています。
競輪って朝はモーニングから夜はナイター、ミッドナイトまで幅広く開催しているから、オレも合間を縫ってスマホでせっせと購入しており、まったく休む間がありません。でも、魅力を知ったら止められないし、これからも皆さんと共にもっともっと楽しみたいと思います。ほんじゃ、また!