“やり続ける”と言う事が競輪選手にとって一番大切
今は俯瞰した立場で“近畿の競輪”を見ているが、厳しさのある近畿の競輪を築き上げた。今の脇本雄太があるのもその厳しさがあったからこそ。村上博幸は「それぞれ色と言うか、特色があるので、他地区に関して意見は言わない様にしている。」
「今は(古性)優作や(稲川)翔に任せているので、僕から若手に直接言う事は少ない。日本選手権(GI)を見ていたけど、脇本がいないだけで、誰にもチャンスがある。脇本を勝ち上がりの段階で潰そうと思えば、それだけで消耗する。平原君は素晴らしい選手だけど、その運もあった。脇本が腰痛に苦しんでいるが、彼中心に競輪界は回っているんじゃないかな」。
自身に付いては西武園記念の落車で無念にもダービーは欠場。そして復帰の舞台が玉野FIになった。
「無理すれば走れる状態だった。GIを獲る獲らないで勝負していた昔なら、体に痛みがあっても強行出場した。現状、このクラスを維持しているけど、そこまでの脚力ではない。逆に無理して走っても崩れるだけで、肉体的にも精神的にもダメージが残る」。
同世代と言っても良い平原康多のダービー制覇に関しては「彼は、怪我にも強いし、ずっとやり続けている! この“やり続ける”と言う事が競輪選手にとって一番大切。一時的に強い選手がいても、彼は理想を求めて我慢も続けている。頑張る事はできても、頑張り続ける事は難しいからね」。
そして玉野初日特選。近畿の目標は不在で犬伏湧也・佐々木豪・松岡貴久の本線ライン。中国は河端朋之に桑原大志。そして村上博幸と神田紘輔は連係せず、お互い単騎になった。
「ジカで犬伏君の番手勝負? いや、若手のマーカーでもないし、名前を売る必要もないからね。ジカで勝負するメリットはないよ(笑)。流れの中で何かやりたい」。
本番では瞬時の判断で犬伏湧也の番手をゲット。返す刀でゴール前は差し切った。3連単は4万円台の大穴になったが、村上ブランドは健在。
過去のGIのタイトルは松戸ダービー、立川グランプリ、高松全日本選抜、前橋親王牌。そして生涯獲得賞金は10億円越えで、現役で言うと19位(ちなみに現役1位は神山雄一郎の29億円)。
オーラを身にまとったままであるし、存在感のある走りをやり続けていく。