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3月の印象に残った選手、レースを紹介!
特集 2024.04.03

3月の印象に残った選手、レースを紹介!

#今月のベストプレイヤー

●3月のMVP
伊藤颯馬(沖縄・115期)S1

  3月11~13日「別府競輪FⅠシリーズ」
  3月21~24日「取手競輪 第8回ウィナーズカップGII」

 3月は上記の2本。別府は3連勝で完全V。初日特選、決勝は伊藤旭マークから展開をものにしたが、準決は力強いロングカマシを見舞い他派を粉砕した。沖縄籍で地元開催のない伊藤にとって九州地区はすべて地元の気持ち。突進力を猛アピールして次走の取手ウィナーズにつなげた。

 約1週間後に迎えたウィナーズカップは、直前に取手へ入りバンクの特性をつかんだ。そのため、前検日から「何か、チャンスがありそう」と不思議と自信に満ちていた。初日、二次予選は後位のもつれがあったものの、前々に攻め込むしぶとい走りで準決へと勝ち上がった。準決は北井佑季の先行を2角から4番手まくり。北井に合わされ、激しい牽制を受けたもののしぶとく踏み続け3着をキープし、自身初のビッグファイナルへと進出した。加えて言えば、沖縄籍初のビッグ決勝進出の快挙だった。

 決勝は単騎戦。窓場千加頼を先頭に脇本雄太―古性優作と鉄の連係を見せた近畿勢に北井佑季が襲いかかり両ラインのつば競り合いになると、ホームから一発勝負の大カマシに打って出た。出足いいスピードで前団を飲み込み、4角を先頭で回ったものの脇本雄太らに交わされ5着に終わった。とはいえ「単騎だったし、何もしないで終わるよりもイチかバチか行きたかった」と初のビッグにも物怖じしない大胆不敵なレースで見せ場はつくった。奇しくもこの日は25回目の誕生日。とても刺激的で貴重な経験を得た。

 

●3月のベストレース
3月21~24日「取手競輪 第8回ウィナーズカップGII」
3月22日 2日目12R優秀「毘沙門天賞」

 清水裕友 度胸を示した積極的運行

 初日特選から勝ち上がった9人で競った優秀戦。準決ノーシードとはいえ調整の意味合いを込めた選手は皆無で、激しくレースは盛り上がった。ファインプレーは清水裕友。犬伏湧也―佐々木豪、北井佑季―深谷知広の5番手に位置すると、打鐘前2センターからカマシ先行に打ってでた。犬伏は先行体勢に入ろうとし、中団3番手に入った北井も休むタイプではなく、あわよくば叩きたい、そんな彼らの思いを逆手に取った奇襲先行は気力に満ちていた。

「2つのラインがやり合えばいいなと思っていて。そうしたら北井さんが犬伏君を出したので。その後、犬伏君がペースに入れかけたので、目掛けていきました。だって、北井さんが仕掛けてしまってはきついし、あのタイミングしかなかったから」と一瞬のスキを逃さなかった。

 結果は末脚を欠いて4着と確定板には乗れなかった。しかし、初日特選は晝田宗一郎に前を任せており、自力で一走し確かな手ごたえをつかんだことが自信となり、準決や決勝の激走につながった。清水はまだまだ自力で戦った方が輝く、そんな印象を付けたレースだった。

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