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直送!競輪場便りfrom 玉野競輪場 佐藤龍二(神奈川・94期)
インタビュー 2024.03.27

直送!競輪場便りfrom 玉野競輪場 佐藤龍二(神奈川・94期)

#競輪場便り

1番ポーズ

佐藤と言えば1着でゴールした後、人差し指を天高く突き上げるポーズが有名だ。その中でも記念の勝ち上がりや優勝した時にする「1番ポーズ」は格好いい。玉野記念の準決で見せたそのポーズは自信に満ちあふれていた。

 まずは開催を振り返ってみる。一次予選は同県の村上直久と連係。いったんは村上が先行態勢に入るも、東矢圭吾・中本匠栄に叩かれ、村上は離れた3番手。自力も兼ね備える佐藤にとっては難しい判断を下さなければならない状況だった。

「勿論1着を取ることが1番ですけど、それがダメな時はいかにラインで勝ち上がれるかを考えます」。

その言葉通り佐藤は村上をかばった。結果、佐藤は3着で村上は5着。「自分としては後ろからも来られていたし、ギリギリだと思いました」。

 二次予選は自らが前で戦う構成。人気は平原康多と森田優弥の埼玉勢。平原が後ろに付く森田が先制。佐藤は8番手に置かれる大ピンチ。

「自分が思い描いていた展開と違ってしまって…。ホームでは『やっちゃった』と思いましたよ」しかしそこから開き直り、2コーナーから外を踏んで3着で準決への切符を手にした。

迎えた準決は、眞杉匠に平原が続くタイトルホルダーラインとの対戦になった。佐藤の目標は青野将大。力をつけてきたが眞杉を相手にどこまで戦えるかだった。加えて清水裕友までいる。眞杉が平原を連れてホームから駆ける。青野が3番手にはまり、佐藤は4番手。青野が2センターから踏み込むと平原が牽制。その瞬間、佐藤がインに切り込んだ。「平原さんが張るのは分かっていたし、後ろには清水君もいる。そのあと平原さんが締めてくると予想していたけど、何もなくて」。

最後は眞杉と平原の中を一気に駆け抜けた。会心のレースに今まで以上の1番ポーズが飛び出した。

 3、3、1着での勝ち上がり。見るからに状態は良さそうで記念制覇も視界に捕らえていた。メンバーを見て「やはりタイトルを何個も獲っている眞杉君・平原さんの後ろだと思いました」。単騎で走ることもできたが、タイトルホルダー2人の後ろを回ることでチャンスがあると見た。だが、眞杉と平原の連結が外れる想定外の展開。最終バック、佐藤は9番手に置かれてしまった。

「結果論ですからね。自分が優勝できる位置があそこだったから3番手を回っただけ」と冷静にレースを振り返った。

 優勝は逃したがこの開催で佐藤は成長した。平塚バンクでは北井佑季、松井宏佑から刺激をもらっている。「付いていくことはできる。今は、楽をして後ろを回ることを考えて練習しています」。要するに楽をして付いていけば、番手の仕事もこなせる。そこから抜くためには余力を残す必要があるということ。

4月の日本選手権には出場できないが、玉野で見せた走りはタイトルホルダー相手でも十分戦えることを実証して見せた。

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