まだまだ元気な北日本の功労者
今年最後のGⅠ競輪祭後は別府記念、佐世保記念、久留米FⅠに出走。飯野が23年を九州シリーズで締めくくった。競輪祭から「山崎芳仁さんに借りた郡司(浩平)フレーム」で戦ったが「踏み出しはいいけど、そこから一気にスカってしまう。脚を使ってなくていっぱいじゃないのに余裕がない感じ。イメージとは違う流れ方だった」ということで、久留米FⅠは3節使った新武器ではなく、今年のほとんどを相棒として戦った〝旧友〟に戻した。
久留米では初日に痛烈な捲りを決めて約7カ月ぶりの白星スタート。「勝手に車が流れてくれる感じがあった。脚の感じは普通なので、戻したフレームがいいんでしょうね。山崎さんに借りたものは、もう少し自分に合うように煮つめる必要がありそうです」
九州シリーズは課題と収穫を手にして終了した。24年は地元のいわき平で日本選手権(ダービー)が開催される。2年ぶりの地元GⅠだ。「競輪祭が終わってからは、地元のダービーを目標にして一からやり直しているところです」
23年は両極端な1年だった。前期は1度も決勝進出を果たせなかったが、期が変わると7月の青森、8月のいわき平、9月の青森とFⅠ戦を3度優勝。「序盤は流れに乗れてない感じがあって、後期は急にいい流れが来て、それに乗れた感じですね。セッティングを少しずつ変えてたのもあったかもしれない」
いわき平ではグランプリ出場を果たした深谷知広の突っ張り先行に乗ってV。「彼が凄い気持ちで走ってくれて嬉しかった」と振り返った。9月の青森は同地区の照井拓成が飯野の前で積極的に駆けた。ビッグレースで幾度も先輩の前で風を切った男に競輪の神様がイタズラをするはずがない。「ダービーは決勝8着くらいでいいから、それくらいの活躍をしたいなぁ」
後輩が続々と育っている北日本地区。飯野が地元GⅠで恵まれる可能性は大いにあるだろう。