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第70回全日本プロ選手権自転車競技大会 リポート
自転車競技 2023.06.07

第70回全日本プロ選手権自転車競技大会 リポート

#自転車競技

2019年以来の開催となった全日本プロ選手権自転車競技大会は、富山競輪場での初開催となりました。当日はあいにくの雨となりましたが、スプリント予選の雨谷一樹選手、1㎞タイムトライアルの菊池岳仁選手が大会新記録を出しました。

地元の近谷涼選手の個人パーシュート優勝を含め、6種目が全プロ初優勝者となりました。そして、チームパーシュートの南関東チームが4連覇達成を果たしました。(※雨のため表彰式は優勝者のみとなります)

■ケイリン

ケイリンは予選、1/2決勝、決勝が行われ、いつもは追い込みの選手の先行など普段の競輪ではありえないレースが見られるのも全プロの特徴。
決勝メンバーは眞杉匠、吉田拓矢、山田久徳、小松崎大地、古性優作、南修二、山口拳矢となった。
レースは先行した古性の番手から捲っていった山口が優勝。捲り追い込めず吉田が2位。3位の南が入線した。

優勝・山口拳矢(岐阜)

「ケイリンはヨコの動きがないんで、展開がよかったです。これだけ走ってもう脚はいっぱいです(苦笑)。チームスプリントがダメだった分、ケイリンの決勝は頑張ろうという気持ちはありました」

2位・吉田拓矢(茨城)

「優勝までいったかと思ったけど、最後、外々に踏んでしまったのでそれが余計でした。雨だし、すべるのもありますね。でも、拳矢が強かったです」

3位・南修二(大坂)

「(古性)優作についていければよかったですけど、粘られてどうしようもなかったですね。最後もちょっと外で一回挟まって、内で一回挟まって…。難しかったですね」

決勝のゴール
優勝の山口拳矢

■スプリント

予選の200mフライングタイムトライアルで、雨谷一樹(9秒970)、河端朋之(10秒036)が大会記録を更新。その勢いのまま雨谷と河端が決勝に進出し、雨谷が先に2本連取して優勝を飾った。

優勝・雨谷一樹(栃木)

「初スプリント優勝は嬉しいです! 全プロは2019年振りでしたけど、ずっと優勝を目指していたのでよかった! ナショナルチームの時も河端(朋之)さんに一回も勝てたことなかったし、優勝するつもりで最初から挑みました。今、GIの決勝を目指してやっているので少しずつ頑張っていきたいです」

2位・河端朋之(岡山)

「雨谷君が強かったです。予選から9秒台が出ると思っていなかったし、強いな、悔しいという気持ちですね。でも、寬仁親王牌の出場権利が取れたのでよかったです」

3位・渡邉一成(福島)

「今回は雨谷、河端が別格でしたね。3位に入れてよかったです」

決勝戦
優勝の雨谷一樹

■1㎞タイムトライアル

優勝は1分03秒137で大会新を出した菊池岳仁。
2位は新田祐大の1分03秒420、3位は松井宏佑の1分03秒799。

優勝・菊池岳仁(長野)

「雨谷さんも9秒台を出していたのでバンクの状況はそんなに悪くはないと思っていました。とりあえず全開で突っ込んでいって、いけるところまでって思ってました。優勝して、地元の弥彦の(寛仁親王牌の)理事長杯に向けて頑張っていかなきゃいけないって思っています」

2位・新田祐大(福島)

「難しいレースでしたね。ここ最近では考えられないような色んなことを発走前に考えて、スタートも自分が思い浮かぶように出来ず、非常に難しい、戦略的に走らなければいけない1㎞TTになりました。来年1㎞TTをやれるかまだわかりませんがやれる限りは自分に挑戦していきたいと思います」

疾走中の菊池
表彰の菊池岳仁

■チームスプリント

地元・弥彦競輪場で行われる寛仁親王牌(GI)に向け、気合いを入れて臨んだ関東チームが1分02秒014のタイムで優勝。

2位は中部チーム(山口拳矢・志田龍星・森川康輔)1分02秒314。
3位は四国チーム(太田竜馬・島川将貴・久米康平)1分02秒814。

優勝の関東チーム
1走:末木浩二「後ろ2人に助けられたという気持ちが一番大きいですね」
2走:中島詩音「1走、3走に助けられて、優勝できて嬉しいですね。親王牌が地元だったので、出たい気持ちも強かったですし、それが叶ってよかったです」
3走:菊池岳仁「自分は脚いっぱいだったし、前2人のおかげです。しっかり練習してきて、ここで結果を出せてよかったですね。弥彦の親王牌だし、皆で特選に乗ろうって言って決められたので嬉しいです」

関東・新潟チーム
表彰

■4㎞個人パーシュート

長年、日本の中長距離で活躍してきた近谷涼、新村穣が好走を見せた。中でも近谷は地元とあって、かなり気合いの入れて臨んだ結果、優勝を決めた。

優勝は近谷涼、タイムは4分33秒545。
2位は新村穣(タイム4分38秒134)、3位は渡辺正光(タイム4分40秒294)だった。

優勝・近谷諒(富山)

「ここ最近で一番嬉しい勝利です。デビュー1年目で地元の富山の全プロが行われることになって、絶対に勝たなきゃいけないと思ってました。チームパーシュートは上手く走れなくて、3位でしたが優勝しか狙っていなかったので悔しくて、個人パーシュートはどんなことがあっても勝たなきゃいけないと思っていました。ゴールしてタイムを聞いて嬉しくて、久々にあんな声で喜びましたね(笑)。この種目はずっと競技でやってきたので、しっかり強い気持ちを持って走りました。地区プロより7秒くらい縮められて、雨でコンディションも難しかったけど、意地というか今まで培ってきたものを全部出そうと思いました。競輪でパワーアップしている部分も実感できたので、また次の地区プロ、全プロでも優勝を狙って、窪木(一茂)さんや橋本(英也)さんも出てくるので大変だと思うけどくらいついていきたいです」

2位・新村穣(神奈川)

「狙っていた通りのタイムは出せました。近谷さんが強かったので2位でしたけど、自分の力は出せたので、それを親王牌の舞台で発揮出来るようにもっと練習していきます」

近谷の力走
表彰の近谷涼

■4㎞チームパーシュート

南関東チーム(タイム4分26秒295)が4連覇を達成。
2位は九州チーム(安東宏高・阿部将大・小岩大介・一丸尚伍)4分28秒126。
3位は中部チーム(近谷涼・重倉高史・吉川希望・南儀拓海)4分28秒194。

優勝の南関東チーム

小原太樹「4人で掴んだ優勝なので、4倍嬉しいですね!」
嶋津拓弥「チームのおかげです! もうちょっとこのチームで頑張っていきたいと思いました」
堀内俊介「地区プロも雨で走れてなく走る前はちょっと不安だったんですけど、なんとか本番で間に合ったというか結果、優勝できたんでよかったです」
佐々木龍「今回の優勝は本当に嬉しいです! 全プロは久々だし、地区プロも中止になったりして、なかなか合わせられなかったので、今回優勝できて嬉しいですね。とにかく先輩たちのおかげですね!」

南関東・神奈川チーム
表彰

■エリミネイションレース

1周毎に最後尾の1人が抜けていき、最後の1人が勝者となるこのゲーム。競技の中でもこの種目が好きだという人もいる。
今回のエリミネイションレースは小林泰正、小林潤二と甥とおじが最後の2人になり、対決の結果、泰正が追い込んで優勝を決めた。

優勝・小林泰正(群馬)

「地区プロは皆が僕を見て走るので余計にやりやすくなったんですけど、全プロはやはりメンバーが強いので走っていて面白かったです」

総勢24名で争われた
表彰の小林泰正

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