今年度よりガールズケイリンにも3大会のGIが新設されたが、その第1弾となるパールカップが岸和田競輪場において、男子の高松宮記念杯競輪と同時開催される。パールカップは3日制だが、高松宮記念杯と同様に勝ち上がり戦は東西対抗形式となり、東地区と西地区から選抜された選手たちが予選と準決勝までは東地区と西地区に分かれて戦い、決勝でそれぞれの地区から勝ち上がってきた7名が激突する。ここで優勝すると年末のガールズグランプリの出場権が与えられるので、男子の高松宮記念杯にも負けない熱い戦いが繰り広げられるだろう。
石井寛子は5月のコレクション平塚ステージではいつもどおりに主導権を取りにきた奥井廸にうまく飛びついて番手を確保したが、早めに巻き返してきた久米詩や小林優香に被されて内に詰まってしまい6着に終わった。それでも次場所の京王閣では完全優勝で今年8回目の優勝を挙げており調子は悪くない。スピード自慢の若手選手が次々と登場してきてビッグレースでは立ち遅れてしまうケースが見られるようになったが、位置取りのうまさは天下一品であり、今回も好位置を奪取して勝ち上がっていく。
小林莉子は昨年8月のアルテミス賞レースを優勝後はビッグレースの出場がなく、1月・伊東温泉のコレクショントライアルレースでも2着、1着で勝ち上がりながら決勝は5着に終わり5月のコレクション平塚ステージには出場できなかった。それでも5月の前橋まで今年の優勝は6回を数えており、1月の小倉では小林優香の捲りを差し切って優勝と調子はいい。昨年のガールズグランプリでは選考順位が8位と惜しくも出場を逃しており、ここで優勝をもぎ取って2年ぶりのグランプリ出場を目指してくる。
5月のコレクション平塚ステージで久米詩がビッグレース初優勝を飾った。20年11月に開催されたフレッシュクイーンを優勝して将来が期待されていた選手だけに待望の頂点獲りだった。レースは勝負どころで3番手を確保すると、前には石井寛子、後ろには小林優香と強豪によるサンドイッチ状態だったが、最終2角から仕掛けた小林に合わせて先捲りを打ち、捲りで迫る柳原真緒を退けて先頭でゴールを駆け抜けた。昨年は優勝がわずかに4回だけだったが、今年は早くも6回目の優勝と着実パワーアップしており今回も強い走りを見せてくれるだろう。
坂口楓華は21年3月のコレクション松阪ステージでビッグレース初出場を果たし2着と健闘、同年のガールズグランプリにも出場した。しかし、その後はやや伸び悩み、昨年のビッグレースの出場はガールズケイリンフェステイバルのみで年間の優勝回数も10回にとどまった。今年も1月のコレクショントライアルレースで決勝6着となり平塚ステージの出場を逃したが、直後の岸和田から怒涛の連勝が始まり、5月の岸和田の決勝で2着と連勝はストップしたものの予選2まで32連勝しており、今回もその勢いのままに勝ち上がっていくだろう。
小林優香は3月のコレクション別府ステージでは佐藤水菜の先行で小林は4番手で内に詰まる苦しい展開となったが必死に切り抜けて2着、5月のコレクション平塚ステージでは4番手から捲るも3番手から仕掛けた久米詩に合わされて3着と優勝にはなかなか手が届かない。それでも今年は5月までに完全優勝が6回と調子は悪くない。ガールズグランプリも昨年は11月のトライアルレースの決勝で2着に終わり出場を逃しているが、現在は自転車競技から離れてガールズケイリンに専念しているだけに女王復活を目指して力走してくれるだろう
柳原真緒は昨年のガールズグラングラプリを制して新女王の座に就いたが、3月のコレクション別府ステージでは勝負どころで最後尾に置かれて6着と精彩を欠いた。しかし、5月のコレクション平塚ステージではやはり勝負どころで6番手と位置取りには失敗したが、最後の直線で伸びて2着とさすがの走りを見せている。もちろんそれで満足しているわけはなく、新女王の名にかけて今回こそはなりふりかまわずに優勝を狙ってくる。今年は5月までの優勝が8回と好調を維持しており、今回は位置取りも考えた走りをきっと見せてくれるだろう。
児玉碧衣は昨年のガールズグランプリでの落車の影響が長引いていたが、3月の高松を完全優勝でようやく今年初優勝を飾った。さらに3月のコレクション別府ステージでは結果は3着だったが、逃げる佐藤水菜の番手に入る絶好の展開になりながらも最終バックから捲りを仕掛けるという気合いの走りを見せている。その後もまだまだ完全復活とはいかないが、5月の佐世保まで4場所連続で完全優勝と調子は上向きだ。優勝(賞金)に対する執念はガールズ一番であり、今回も気合い十分の走りを披露してくれるだろう。