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3月の印象に残った選手、レースを紹介!
特集 2023.04.05

3月の印象に残った選手、レースを紹介!

#今月のベストプレイヤー

●今月のMVP 松浦悠士(32)広島98期 S級S班

 毎年、年末のグランプリへ向けて仕上げたコンディションをキープし、勢いをそのまま持ち込み年初から突っ走る、そんなイメージが松浦にはあったが、今年は初戦の和歌山記念の初日に体調を崩しそのまま途中欠場。出鼻をくじかれスタートダッシュを決める事ができなかった。1月豊橋でも決勝を外すなどその後も松浦らしいレースは影を潜め、苦戦続き。

この頃は「体の感じはずっといい」との言葉を残していたが、成績はピタリと噛み合わず、突破口の見えない戦いが続き、2,3月は地元地区開催だったGⅠ「高知全日本選抜競輪」とGⅢ「松山記念」も決勝進出を逃してしまった。

そんななか迎えたGⅡ別府「第7回ウィナーズカップ」を見事に制した。決勝は単騎での戦いだったが相手の動向を見極め、一車ずつ進路を進める自在選手の真骨頂とも言える立ち回りだった。4大会連続して決勝に乗るなど当大会との相性の良さも味方したのかもしれない。

目標選手の番手から抜けだし勝ち切るレースもいいが、この選手は自ら動いた方がよりおもしろさが増す。どんなレースをしてくれるかと期待を持たせてくれ、ときにはゾクゾクさせてくれる。完全復活へ向け、第一歩を踏み出した。4月以降もどのようなレースで魅せてくれるか楽しみだ。

 

●レース 別府競輪「第7回ウィナーズカップ」3月19日 10R二次予選

浅井康太(38)三重90期 S級1班 

 橋本優己に前を任せた浅井は、橋本の仕掛けに乗ると大外を伸びて3着に飛び込んだ――レースを端的に表すとこうなるが、実際は紆余曲折あり、浅井のファインプレーが光った技ありのレースだった。

 特筆すべきは最終ホーム過ぎから2角過ぎに渡る動き。橋本を眺めながら内を締め、その後に橋本がもう一度、仕掛けられるか仕掛けられないかを見極め、まだ頑張れると判断するや絶妙なスピードで内から橋本を追い掛け直し、外を踏んで迎え入れた。踏んで止めての繰り返しに相当、脚を使ったと察することができた。

「内を締めておいて、まず永澤(剛)君が降りて来られないようにけん制をしたんです。その後、内を回って(三谷将太の後ろに)そのまま切り替ることもできたし、橋本君の動きを見て、もう一度いけそうなら付け直すと2パターンを想定していました。内を走りながら迎え入れるのは難しい? そりゃ、そうですよ。あれ必死でした。だけどラインのレースがしたいから、2角は特に大事に走りました」

 当シリーズは準決で惜しくも敗退し最終日には失格を喫してしまったが、二次予選は場の状況を読み冷静に判断を下し、オールラウンダーとしての面目躍如とも言える立ち回りで大奮闘だった。ああいった、きめ細やかで丁寧なプレーが浅井の魅力を支えている。

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