初の骨折、そして復帰後初勝利
女王の座に返り咲きを狙った年末のガールズグランプリは、最終2センター付近で落車した。怪我は左鎖骨の粉砕骨折だった。復帰戦に選んだのは1月29日からの地元、久留米ナイター。「地元だし出たかった。はっきりどこまでできるか、とかは分からない。かなり不安です」。まだ患部に痛みが残る中での復帰となったが、有観客で地元を走るのは20年11月以来。地元ファンの前で走る姿を見せたかった。
結果は224着と未勝利に終わった。左半身の抑えが利かず、コーナーの入り口、出口で外に膨らむシーンもあった。それでも児玉は「この経験を生かせると思う」と前を向いていた。
復帰2戦目は2月12日からの小倉ナイターだった。まだまだ復調途上。それでも「久留米が終わって、急に痛みがひいた。久留米を走って良かったです」と前検日には明るい表情を見せていた。予選1は2着、そして予選2では打鐘4角からのカマシ先行で待望の復帰後初勝利を挙げた。しかも後続を大きく引き離しての圧勝劇。復調を強く印象付ける走りだった。「ホッとはしたけど、まだまだですね。力に頼っているし、上半身と下半身がバラバラでうまく乗りこなせていない。でも気持ち的には楽になりました」。課題は残るものの、昨年12月岸和田以来となる約2カ月ぶりの1着で復調への大きな一歩を踏み出した。
「今は耐える時期なのかな。今回の怪我は脚力だけじゃなくて、レースの見極めも考えてやりなさい、って神様が言っているのかも。小倉では園田匠さんに『結果が出なくてもレースを走り続けていかないと』とアドバイスをもらった。レース脚はレースでしか戻せない。今はきつくても我慢して、練習、レースで戻していくしかない」
決勝は姉弟子の小林優香に敗れて2着に終わった。最終バックから先に仕掛けて連勝中の小林とゴール前まで好勝負を演じる、好内容のレースだった。走るたび復調ムードは加速度を増している。