ガールズグランプリ2022が平塚競輪場に於けるKEIRINグランプリシリーズの2日目11Rに実施される。11月のガールグランプリ2022トライアルレースの優勝者2名とトライアル終了時点での賞金獲得額上位者5名による対決だ。ガールズ最速の佐藤水菜と女王奪還を目指す児玉碧衣の激突が見どころだが、初出場ながら上昇一途の柳原真緒や思い切りの良さなら山原さくらも侮れない。
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は4連覇がかかっていた昨年のガールズグランプリは3着に終わった。そして今年は6月・平塚のオールガールズのグループAでは佐藤水菜と1着同着で優勝しているが、その他のビッグレースでは優勝がなく、大きな壁に当たってしまった。これまでは生まれ持った素質だけで勝ち続けてきたが、今はレースの組み立てや展開の流れを考えながら突破口を見出そうと模索している印象だ。それでも11月のトライアルレースは3連覇を達成と調子自体は決して悪くなく、女王への返り咲きを目指して本番のグランプリに挑む。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜はパリ五輪を目標に自転車競技とガールズケイリンの掛け持ちで多忙な日々を送っているが、6月のアジア選手権で金メダルを獲得とワールドクラスのスプリンターへと成長を遂げた。ガールズでも6月・平塚のオールガールズ、7月のガールズケイリンフェスティバル、8月のガールズドリームレースを優勝と圧巻のスピードを見せつけている。11月のトライアルレースも完全優勝で地元・平塚でのガールズグランプリの出場権を獲得、もちろん今回も地元ファンの期待に応える走りで女王の座を射止めてくる。
石井寛子 東京 104期
石井寛子は、今年は3月のコレクション宇都宮ステージで尾方真生の逃げを差して優勝している。その後のビッグレースでは苦戦が続いたが、11月までの優勝が17回と勝ち星を重ね、獲得賞金ランキング2位で10年連続10回目のガールズクランプリ出場を決めている。11月のトライアルレースでは決勝は6着に終わったが、予選1では佐藤水菜の捲りにしっかり食らいついて2着と健闘しており調子は悪くない。17年の平塚のガールズグランプリで初優勝を飾っており、今回もベテランの技を駆使した自在戦で好位置を奪取して2度目の優勝を狙う。
柳原真緒 福井 114期
柳原真緒は5月のコレクションいわき平ステージで児玉碧衣の捲りの上を捲り切ってビッグレース初優勝。6月・平塚のオールガールズのグループBの決勝では先捲りの梅川風子を捲り切り上がり11秒8の好タイムをマークと今年は著しい成長を遂げた。11月のトライアルレースも2連勝で勝ち上がると決勝は児玉碧衣との捲り合戦で2着と健闘。11月までの優勝が16回、獲得賞金ランキング3位でガールズグランプリ初出場を決めている。もちろん今回も佐藤水菜と児玉碧衣の2強を相手にフレッシュパワーで逆転一発を狙ってくる。
奥井 迪 東京 106期
奥井迪は9月・名古屋のティアラカップで悲願の逃げ切りでのビッグレース制覇を達成、獲得賞金ランキング4位で3年ぶり5回目のガールズグランプリ出場を決めた。過去のグランプリではもちろん4回とも主導権を取り切っており、16年の立川と17年の平塚ではともに2着とあと一歩のところで夢を絶たれていた。そのため一時期は戦法的な迷いから捲りも多用するようになっていたが、現在はまた初心に戻り徹底先行を貫いている。12月には41歳を迎えた奥井だが、もちろん今回も先行・逃げ切りでの優勝を狙ってくる。
山原さくら 高知 104期
山原さくらは19年11月から病気療養のために長期欠場となり、20年5月からガールズに復帰、その後は徐々にではあるが往時の強さを取り戻してきた。そして今年はビッグレースでの優勝はないものの11月までの優勝が13回と賞金を積み重ね、獲得賞金ランキング7位で実に6年ぶり5回目のガールズグランプリ出場を決めた。山原の魅力はなんといっても度胸のよさであり、7月のガールズケイリンフェスティバル決勝でも誰も行かないなら私が行くとばかりに先行して3着に粘っており、今回も山原らしい大駆けで勝機を掴んでくるだろう。
尾方真生 福岡 118期
尾方真生は初出場だった昨年のガールズグランプリは仕掛け切れずに6着に終わったが、今年も11月までの優勝が16回とコンスタントに勝ち星を重ね、獲得賞金ランキング7位で2年連続のグランプリ出場を決めた。7月のガールズケイリンフェスティバルでは2連勝で勝ち上がるも決勝はやはり凡走して5着とここ一番で力を出し切れずに終わっているのが残念だ。しかし、11月のトライアルレースのグループBの決勝では結果は5着ながら前受けから突っ張り先行に出ており、今回も積極的に仕掛けることができれば好結果がついてくるだろう。
ガールズグランプリ2021を振り返る
3番手から捲った高木真備が初優勝
石井寛子、高木真備、小林莉子、尾方真生、児玉碧衣、坂口楓華、小林優香の並びで周回を重ねる。打鐘前から小林優香が勢いよく上昇し、打鐘とともに誘導員が引いて先頭になった石井を一気に叩いて先頭に立つ。続いて尾方が巻き返していこうとするが、最終ホームから手前から体を大きく振って弾みをつけた小林優香が全開で先行態勢に入り、あまりのハイペースに尾方は3番手の外までで一杯となり後退していく。尾方を追っていた児玉も6番手の苦しい展開となり2コーナーから懸命に捲りあげていく。前団では小林優香との口が空いた石井が必死に追いかけていき、バックでようやく小林優香に追いつくが、3番手にいた高木がそこから捲っていく。高木に小林莉子が続き、その後ろに児玉も迫ってくる。高木は4コーナーで小林優香を捕らえるとそのまま先頭でゴールを駆け抜けガールズグランプリ初優勝。小林莉子が2着、児玉が3着に入る。