受難の後半戦はひとつの経験。来年以降へ生かしてみせる
11月の競輪祭は地元地区でのGⅠとあってより一層、気合を高めて挑んだ大会だったが、一次予選1、2で7ポイントしか稼げずに痛恨の予選落ちとなった。敗者戦回りとなった4日目、4R選抜戦は先手を奪った吉田有希ラインの後ろを確保し、1センターから捲って快勝した。
「1、2走目は体調面が悪くて思ったようなレースができなかった。でも3走目は自転車のセッティングもいいときのものに戻ったし、体調も回復してそこそこやれると思ったんです。」と軌道修正に成功し納得した。
ここ最近はセッティングに悩み、長い迷路をさまよっていた。競輪界上位のプロたちが集うGⅠ開催ならばヒントが得られるかもしれない、そう考えた嘉永はあちこちにアドバイスを聞いて回った。
「色々な方に話を聞きました。その中でも清水(裕友)さんに実際に自分の自転車に乗ってもらって修正をしていただいたものがかみ合って。イチかバチかでしたけど、3走目にはいきなり結果が出た。感覚としてはA級で10秒台のまくりを打っていたときみたいな感じがあった」。
今年の前半はGⅠ初参戦となった「全日本選抜競輪」(取手)を皮切りに「日本選手権競輪」(いわき平)、「高松宮記念杯競輪」(岸和田)と3大会連続して準決勝まで勝ち上がるなど順調だったが、後半戦に入るとリズムは急転。待望の地元GⅢ(10月熊本競輪開設記念in久留米)の直前に名古屋「GⅡ共同通信社杯」で落車。鎖骨を骨折し、当大会の直前には体調不良に陥り満足に練習ができないまま本番を迎えるなど受難が続いた。
「本当にタイミングが悪かったです。でもこれもいい経験だと思って。来年はこんなことが無いようにしてGⅠでしっかりと勝てる選手を目指します」。
今年最後のGⅠを終え、すでに視界は来年へと向いている。今年の経験を糧として、グレード戦線の上位を相手に勝ち負けできる脚を付けていく。